金の世界需要10%減 7~9月、中国・インドの買い鈍る
金の調査機関、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は8日、7~9月の世界の金需要が前年同期比10%減の992.8トンとなったとの報告書を公表した。金の国際相場が高値圏で推移したうえ、大消費地である中国の景気減速も影響した。
用途別にみると、宝飾品需要は493.1トンと前年同期比21%減った。2大消費国のインドで同28%減、中国も同22%減と大きく落ち込んだ。インドは自国通貨ルピー相場安により自国内の金相場が高騰したうえ、婚礼需要が多い農村部の収入の低下も影響した。中央銀行の金購入量は81.7トンと同51%の大幅減。金が高値圏にあったため、購入を手控えたと指摘している。
一方、投資需要はETF(上場投資信託)がけん引し、335.7トンと同44%増えた。英国の欧州連合(EU)離脱問題や米大統領選をにらみ、機関投資家が金を投資資金に組み入れる動きが広がった。