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米ブラックロックは金を支持、市場が理解していないリスクのヘッジで

  • 市場では世界の政治リスクが過小評価されている-ケステリッチ氏
  • 金は年初来で8%上昇、安全資産として需要高まる

ブラックロックのある運用担当者によれば、投資家はもう少し神経質になるべきだ。

  中国経済に安定の兆しが見え、トランプ米大統領によるインフラ投資拡大や規制緩和、減税に期待感が強まる中、株式相場は最高値を更新した。こうした株高に加え、ボラティリティー(変動性)が平均を下回っている現状は投資家が先行きを一段と楽観している表れだが、世界の政治リスクが過小評価されていると、ブラックロックの「グローバル・アロケーション・ファンド」(運用資産410億ドル=約4兆6500億円)の運用に携わるラス・ケステリッチ氏は分析する。同氏はその保険として金を勧める。

  ケステリッチ氏は、投資家のセンチメントを変化させ得る事象として、欧州諸国で近く行われる選挙や米国政治の不透明感を挙げたほか、英国の欧州連合(EU)離脱やギリシャの債務危機の影響も脅威だとしている。こうした懸念を背景に、金の安全資産としての需要は高まっており、価格は年初から約8%上昇している。

  16日に電話インタビューに応じたケステリッチ氏は「こうした潜在的な政治リスクが相場に反映されていない」と指摘。「市場参加者はさほど神経質になっていない。あらゆる政治リスクを考慮すると状況が悪い方向に進む可能性はある。これがポートフォリオに金を組み入れる論拠を強める」と述べた。

Insurance Policy

原題:BlackRock Backs Gold to Hedge Risk the Market Isn’t Grasping (1)(抜粋)

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