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東京五輪で輝け、「都市鉱山メダル」

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東京五輪・パラリンピック組織委員会は、3年後の大会で表彰台に立つアスリートに贈る金、銀、銅メダルを全て国内の都市鉱山から製造するプロジェクトを正式決定した。メダル全てを「都市鉱山メダル」とするのは、五輪史上初めての試みとなる。実現の可能性や狙いを提案者の1人である物質・材料研究機構のアドバイザー、原田幸明氏に聞いた。

――都市鉱山メダルとは一体、どのようなものなのでしょうか。

「まず都市鉱山とは、家電製品や携帯電話など都市で廃棄される電子機器の中に存在する金銀銅などの金属資源を指す。例えば、デジタルカメラやテレビ、プリンター、電子レンジ、ゲーム機、ドライヤーなどといった身近な製品には貴重な金属資源が大量に含まれている。これらの不用品を一般家庭から集め、取り出したリサイクル金属で作製したメダルを都市鉱山メダルと呼んでいる」

――2020年の東京五輪・パラリンピックで採用されることの意義について、教えてください。

「五輪はスポーツだけでなく、持続可能な社会づくりを目指す祭典でもある。金、銀、銅の金属を天然鉱山から採取するということは、大規模な開発を行って地球資源を使用することになる。都市鉱山を有効活用して限られた金属資源を循環する仕組みを作ることは、地球環境への負荷を減らすことにつながる」

「16年に開催されたリオデジャネイロ五輪では銀と銅のメダルに30%リサイクル金属が使われたが、全メダルをリサイクル金属とした事例は過去にない。3年後の東京五輪が、史上初めての試みになる。『もったいない』精神が豊かな日本だからできると考えている。リサイクル意識を社会に根付かせることを東京五輪のレガシー(遺産)としてほしいものだ」

――メダルを作るのに必要な金属の量は。

「オリンピック・パラリンピックでは約5000のメダルが授与される。金・銀・銅メダル用にそれぞれ、9.6キログラム、1210キログラム、700キログラムが必要だ。金9.6キログラムは、携帯電話だけなら数十万台、パソコンだけなら数万台に相当する。ただ金メダルは銀の土台に金メッキを施しているため、銀や銅より必要量は少なくなり、必ず集まるものと期待している」

――都市鉱山だけでメダルに必要な金属は集まるのでしょうか。

 「日本は資源がない国だと言われているが、使用済み電子機器を正しく処分すれば実は資源大国になれる。日本の都市鉱山には金が約7千トン、銀が約6万トンあるとされる。これらの埋蔵量は天然鉱山が豊富な世界有数の資源大国並みだ」

「ただ、回収率が低いのが課題になっている。使用済み小型家電は法律で回収方法が定められているが、義務ではないので回収率は年間発生量(65万トン)のうち8%弱にとどまる。使用されないまま家庭に眠っているケースも多く、経済産業省の調査によると携帯電話は2億台以上、パソコンは約3000万台が家庭に退蔵されているという。都市鉱山メダルの実現には一般家庭の協力が欠かせない」

――都市鉱山メダルに一般家庭が参加するにはどうすればいいですか。

「東京五輪・パラリンピック組織委員会の『都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト』に公認された回収主体は、NTTと自治体、国による認定事業者だ。家庭で眠っている使用済み携帯やタブレットはNTT傘下のドコモショップで回収をしている。携帯やタブレットも含む電子機器全般は自治体と国の認定事業者が受け付けている。メダル専用の回収ボックスを設置したり回収目的のイベントを開催したりしている」

「国から小型家電リサイクルの認定を受けている宅配リサイクル業者であれば、宅配便による回収も可能だ。地元自治体が都市鉱山メダル専用ボックスを設けているかは、http://www.toshi-kouzan.jpで確認できる」

「業者の中には国の認定を受けずに回収しているケースもある。無料をうたって自宅にまで回収に来てくれるので渡してしまう人は少なくない。こうした業者からリサイクル設備が不十分な発展途上国に都市鉱山が輸出され、現地で環境汚染の原因になるケースもあるので注意してほしい」

――回収された金属は、どんな工程を経てメダルになるのですか。

「回収されたものは、破砕、分類されて金属の種類ごとに大別する。その後は、日本鉱業協会(東京・千代田)に加盟する製錬設備を持つ会社を通じて、溶融炉などを使って不純物を除去して金、銀、銅の地金を作るといった仕組みだ」

――100%リサイクル金属のメダルを作ることは可能ですか。

「必要量のすべてを都市鉱山で集めて原料にするのは可能だと思う。だが、天然鉱石が全く不要かというと少し厳しい。環境にやさしい作り方には、天然鉱石も使ったほうがよい。ただ、金には天然鉱石を混ぜない製錬法がある。必要量も少ないので、金だけは天然鉱石を含まずにメダルにすることは原理的に可能だ」

(聞き手は、企業報道部 安原和枝)

[日経産業新聞5月30日付]

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