金地金の販売4割減 1~6月、円建ての値動き乏しく
田中貴金属工業は11日、1~6月の金地金販売量が前年同期に比べて4割減の8766キログラムだったと発表した。同期間としては10年ぶりの低水準だった。円建て金の値動きが乏しく、投資家が積極的な売買を控えた。
1~6月は金の国際価格が1トロイオンス1170~1300ドルで推移した。金は地政学リスクが高まると「安全資産」として買われやすい。3~4月は中東情勢の緊張などを背景に上昇。5月以降は仏大統領選のマクロン氏勝利による欧州の政治リスク後退や米国の金融引き締めで軟調に推移した。
一方、国内価格の動きは限られた。金価格の上昇局面では、同様に比較的安全な資産とされる円も対ドルで上昇しやすい。上昇幅が圧縮され、1~6月の平均価格(税抜き)は1グラム4515円で、前年同期比2%の上昇にとどまった。
白金(プラチナ)の1~6月の販売量は4068キログラムと前年同期比5割減った。前年の販売量が平年の2倍程度と好調だった反動が表れた。ただ「金との価格差が広がった6月は、販売量が今年で最も多かった」(田中貴金属工業)という。
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