プラチナ需要、18年は横ばい 車向け減少 宝飾は回復
プラチナの国際調査機関、ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)は8日、2018年の需給見通しを公表した。産業用や宝飾品向けの消費が伸びる一方、自動車や投資向けが減少し、需要は前年比で横ばいになる見通しだ。
主産地の南アフリカ共和国で17年に一部の採掘コストの高い鉱山が閉鎖した。ロシアも精錬設備の改修で供給が減る見込み。リサイクルを含む18年の世界供給は17年比2%減の7815キロオンス(約243トン)となる見通しだ。
一方、需要は7790キロオンス(約242トン)とほぼ横ばいを見込む。石油精製の触媒やガラス繊維向けといった工業用途が6%増えるほか、宝飾品需要も2%増える。最大消費国の中国で腐敗撲滅運動に伴い宝飾品の消費低迷が続いたが回復の兆しが出ている。
自動車や投資分野はさえない。全需要の4割を占めるディーゼル車の排ガス触媒向けは、欧州で同車市場が縮小している。投資分野はコインや延べ棒の最大消費国である日本の需要が振るわない。WPICは自動車需要は3%減、投資分野は4%減るとみる。
プラチナ相場は3月上旬時点で1トロイオンス950ドル台と14年比で4割安い。各国で電気自動車(EV)シフトの動きが進む中、将来のディーゼル車向け需要の先細り懸念で価格低迷が続く。