コンテンツにスキップする
Subscriber Only

株暴落を予想する富豪投資家、資産の半分を金投資-北朝鮮が救いか

  • エジプト有数の資産家、10年前に北朝鮮初の携帯電話会社設立
  • サウィリス氏、北朝鮮投資の行方はトランプ大統領次第
資産家ナギブ・サウィリス氏

資産家ナギブ・サウィリス氏

Photographer: Sima Diab/Bloomberg

エジプトの資産家ナギブ・サウィリス氏は、市場よりも早く警告シグナルを感知しつつポジションを維持する大口投資家の一部とは違う。同氏は行動に移り、57億ドル(約6250億円)相当に上る資産の半分を金(ゴールド)に替えた。

  4月30日にカイロのオフィスで行われたインタビューでサウィリス氏は、株式相場急落の可能性を「過大評価していた」と認めつつ、現在1オンス=1300ドルをやや上回る程度の金価格が上昇を続けて1800ドルに達すると予測した。

Orascom Telecom Media and Technology Holding SAE Chairman Naguib Sawiris Interview

エジプト2位の資産家、ナギブ・サウィリス氏

Photographer: Sima Diab/Bloomberg

  「結局、中国の存在があり、中国の消費はとどまるところがない。さらに危機の間は金への投資が増える傾向にあり、現在は危機に満ちている」と説明。「中東や世界の残り地域を見てみるがいい。トランプ大統領も助けにならない」と続けた。

  ただ、トランプ大統領はある意味サウィリス氏を助ける可能性がある。10年前に北朝鮮初の携帯電話事業者コリョリンクを設立したサウィリス氏だが、その利益を容易には国外に移すことができない。米朝で和平が成立すれば、同氏は利益の一部をようやく手にすることができる。コリョリンクについて「打撃を一身に受けている。支払われるのはあまり簡単には両替できない通貨だ」と話した。同社の費用や売上高は、サウィリス氏のオラスコム・テレコム・メディア&ホールディングの決算に含まれていない。

  国際制裁を受ける北朝鮮への投資のため、何年にもわたり「すべての西側諸国政府」から圧力を受けてきたというサウィリス氏は、北朝鮮の金正恩労働党委員長との会談を控えるトランプ大統領に脅すのではなく、核問題の譲歩と引き換えに繁栄を約束するよう助言した。「北朝鮮の人々は非常にプライドが高く、脅しや威嚇には屈しない。ほほえみかけ、きちんと話せば成功するだろう」と語った。

原題:North Korea Is a Bright Spot for Billionaire Who Forecasts Crash(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE