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投資家が金に殺到、世界最大の金ETFは2016年以来最大の保有増加

  • SPDRゴールド・シェアの金保有拡大-安全資産需要で
  • 利下げ観測や景気減速懸念、貿易戦争激化が金需要を後押し

金価格に連動する上場投資信託(ETF)で最大の「SPDRゴールド・シェア」が一躍、人気を集めている。米中貿易戦争や景気減速の兆し、米連邦準備制度の利下げ観測が重なって需要が拡大し、同ETFの金保有高は約3年で最大の増加を記録した。

  同ETFの保有資産は3日に16.44トン(2.2%)増加し、2016年7月以来最大の伸び。全てのETFの保有総額は今年最大の増加となった。伝統的に資金の避難先とされる金へのシフトは金価格が1トン=1300ドルを突破し、今年2月以来の高値となったことが背景にある。

Holdings in the SPDR Gold ETF jump the most since July 2016

  米セントルイス連銀のブラード総裁は利下げが近く正当化される可能性があると指摘。市場は年内に0.25ポイントの利下げが少なくとも2回あると見込んでおり、ほんの数日前よりも1回多く利下げを想定している。資産家のスタン・ドラッケンミラー氏は、景気が弱まれば1年半で金利がゼロに向かう可能性があるとの見方を示した。

  UBSグループのストラテジスト、ジョニ・テベス氏はリポートで、「貿易摩擦が激化して成長に対するリスクが高まる中、金は再びセーフヘイブン(安全な避難先)としての役割を取り戻そうとしている」と述べ、「1オンス=1300ドルを超える水準が居心地よくなりつつあるようであり、今年の高値を試す勢いもある」と分析した。

原題:Investors Stampede Into Gold as Top ETF Swells Most Since 2016(抜粋)

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