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金地金売却量、6割増 5千円超えで個人の売り加速

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貴金属地金の販売大手、田中貴金属工業は17日、2019年上半期の金地金買い取り量が前年同期に比べ6割増となったと発表した。米国の利下げ観測に加え、米中対立や中東情勢の緊迫などの不透明感が相場を押し上げた。国内の買い取り価格も大台とされる1グラム5千円を超え、個人の持ち込みが加速した。

田中貴金属に個人が売却した金地金の総量は1~6月で1万5015キログラム。前年同期比で57%と急増した。上半期では13年以来の高水準。地金商がホームページ上などで公表する金地金の買い取り価格は6月末時点で1グラムあたり5200円前後。15年1月以来の高値圏にあり含み益の出た個人の売却が増えた。

金の国際価格も約6年ぶりの水準まで上昇している。一般的にドル安を背景に金が買われる局面では、同時に安全資産とされる円も買われる場面が多い。このため、円建ての金価格は国際価格に比べて上昇のペースが鈍ることが多く、1グラム5千円が大台とされる。ここ数年、好景気やドル高で金相場は低迷しており、足元の高値を好機とみた個人が利益確定の売りに動いた。

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