「金、最高値更新も」独精錬大手 21年貴金属価格見通し
独精錬大手のヘレウスは2021年の貴金属の価格見通しを公表した。超低金利環境などを背景に、金は20年に付けた過去最高値を更新すると予想。米バイデン新政権が注力する環境政策により、太陽光発電に使う銀は金以上の値上がり幅になるとみる。ロジウムやイリジウムなどの白金族金属(PGM)も変動が大きく高値で推移すると見込む。
金は1トロイオンス1760~2120ドル、銀は同21~36ドルで推移する。同社の貴金属取引責任者ハンス・ギュンター・リッター氏は、各国の大規模な財政刺激策がインフレに影響を与えることから「典型的なインフレ防衛資産である金は恩恵を受ける」とみる。銀は「グリーン経済への移行により需要が長く増加する」。
自動車触媒のロジウムは同1万5000~2万5000ドル、電子部品の製造に使うイリジウムも同2000~5000ドル。供給が限られるPGMの一部は引き続き高値水準で大きく変動する可能性があるとみる。
関連企業・業界