白金、供給不足やわらぐ 21年見通し、生産回復で
プラチナ(白金)の供給不足が緩和する見通しだ。英製錬大手ジョンソン・マッセイ(JM)は17日発表の世界需給見通しで、2021年は供給が需要を19トン上回ると予想した。供給超過は3年ぶり。新型コロナウイルス禍や鉱山トラブルによる供給懸念が後退する一方で、相場高で投資需要が抑えられると予想する。
21年の供給は前年比23%増の190トン。主産地の南アフリカで20年の生産量は都市封鎖や鉱山の操業低迷で前年比で大幅に減ったが、21年は回復が見込まれる。リサイクルは59トン。
需要は230トンと1%増にとどまる。全体の3~4割のディーゼル車など向け触媒需要は、自動車生産の回復で27%増の91トンと見込む。一方、国際相場が昨春の安値から2倍超も上昇しており「21年は(利益を確定する)売りが出やすいだろう」(JMの藤田幹生氏)。
17日には国際調査機関ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシルも21年のプラチナ供給が増えると発表。需要超過は続くものの、幅は5トンと前年比8割ほど縮小すると予想した。
白金族でガソリン車向け触媒に使われるパラジウムについて、JMは21年の需給が26トンの需要超過を予想。自動車生産の回復で超過幅が拡大する。
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