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資源「持てる」国は通貨高 「持たざる」国にインフレ懸念

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世界的な商品高を受けて資源国の通貨に上昇圧力がかかっている。資源の輸出が増えて景気を押し上げるとの連想が働き、短期のファンドマネーなどが流れ込んでいるためだ。資源の買い手に回る側の新興国はインフレ圧力の強まりが意識され、通貨も買われにくい。「資源を持てる国か持たざる国か」を軸に、通貨の選別が強まっている。

国際商品市場では原油や白金など幅広い資源価格が上昇傾向にある。鉄鉱石は4月下旬、およそ10年ぶりに最高値を更新した。世界経済の回復期待やドル安傾向を受け、新興国通貨も同様に上昇軌道を描いているようにみえる。通貨ごとの値動きを細かくみると、物色の矛先は主に資源の産出国の通貨に向かっていることがわかる。

国連貿易開発会議(UNCTAD)や国際通貨基金(IMF)のデータから各国が国内総生産(GDP)の規模に対してどのくらいの1次産品や貴金属などの資源を輸出入しているかをみると、資源の輸出超過額の比率が大きい国は総じて通貨も強いことが確認できる。とくに4月以降の対ドル相場をみると、この傾向が強まっている。

騰勢が目立つのが石油や天然ガスを輸出するカナダのカナダドルだ。19日の東京外国為替市場で1米ドル=1.20カナダドル台と6年ぶりの高値圏で推移した。金や白金を輸出する南アフリカの通貨ランドも1ドル=14ランド前後と1年4カ月ぶりの高値圏だ。鉄鉱石が代表的な輸出品目の国でも、ブラジルのレアルが利上げもあって3月を底に上昇基調にあるほか、オーストラリアドルも堅調に推移する。

ロシアは利上げとあいまって通貨ルーブルが上昇したが、石油・ガスなどの資源の輸出超過幅が大きい割には上値が重い。バイデン米政権がサイバー攻撃などをめぐる制裁措置の一環でロシア国債の取引を制限し、地政学リスクの高まりが意識されている。銅鉱石の生産で有名なチリも、改憲を巡る政治の混乱が嫌気されている。

一方、資源が輸入超過の状態にある新興国は輸入インフレの圧力が意識されやすく、通貨上昇の流れに乗っていない。タイでは主力の観光業が新型コロナウイルス禍で打撃を受けるなか、資源価格の高騰が景気回復の重荷となっている。通貨バーツは19日に1ドル=31バーツ台と年初来安値圏で推移した。

例外は中国だ。莫大な人口を抱え資源は大幅な輸入超過だが、全体では経常黒字のため資金流入は続き、人民元は4月以降も上昇傾向にある。市場では、インフレを抑えるため当局が緩やかな人民元高を容認しているとの見方がある。

世界経済の回復期待が高まる一方で主要中央銀行の金融緩和は続く。投資家のリスク選好姿勢が強まる局面では、資源国や新興国には資金は流入しやすい。

半面、商品高が実際の景気回復に先行して急激に進むと、資源の輸出国と輸入国で明暗が分かれる。SMBC日興証券の新興国担当シニアエコノミスト、平山広太氏は「新興国の中でも資源国かどうかが通貨選別のテーマになっている」と指摘する。

輸出国は資源高が財政改善や歳出面の余裕につながりやすい半面、輸入国はもともと資源効率の悪い国も多く、インフレの痛みが強く出て経済や財政への悪影響も大きくなる。先進国に比べて出遅れる新型コロナ対応にも差が出る可能性がある。

通貨の選別が進むと格差はさらに広がる。通貨高は輸入インフレを抑えて内需を支え、外貨建て債務の返済負担も和らげる。逆に通貨安は、国内の高インフレや外貨建て債務の返済負担の増大をもたらす。

新型コロナ対策の負担や経済正常化の出遅れで新興国の多くでは政府の債務負担が高まっている。国際金融協会(IIF)によると、2021年3月末の新興国全体の政府債務は20兆㌦(約2200兆円)強と1年間で2割増えた。対外債務が多い国は潜在的に海外マネーの流出リスクを抱え、世界の金融システムの焦点にもなっている。

資源高の流れが通貨にどんな影響を及ぼすのかは、国際金融市場や世界経済の先行きも大きく左右する。

(金融政策・市場エディター 大塚節雄、南毅郎)

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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