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造幣局、硬貨に信用刻んで150年 産業・教育の先導役も

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伊藤博文、井上馨、渋沢栄一、五代友厚……。明治時代の大物が創業期に関わった造幣局(大阪市)が今年、150周年を迎えた。偽造されない貨幣(硬貨)づくりの技術を磨き続け、近代日本経済の基盤を築いてきた。産業や教育の面でも文明開化の先導役を果たしている。

明治の大物トップ

造幣局は、新貨条例が制定されて貨幣単位が「円」になった1871年(明治4年)に創業。トップを3回も務めた井上は長州藩出身で外相などを歴任した。初代首相となる伊藤らと幕末に密航して英国に渡り、「長州五傑」と呼ばれる。密航が幕府に発覚したら「死罪だったかもしれない」(関西大学の柏原宏紀准教授)。覚悟と使命感を共有して西洋文明を学んだ五傑のうち、4人が造幣局でトップを務めている。

井上は怒りっぽい性格で「雷おやじ」と呼ばれた。柏原氏によると、同じく「サンドル」(雷)とあだ名されたお雇い外国人のキンドルも恐れたほどだった。人々は落雷を避けようと大蔵省で井上の部下だった渋沢のそばに身を寄せる。「近代日本経済の父」として名を残す渋沢には雷が落ちなかったためで、「避雷針」と呼ばれるようになった。

創業から今日まで、最大の使命は「純正画一で偽造されない貨幣の製造」だ。今年11月をメドに発行される新500円貨幣には最新の偽造防止技術を導入。うち「異形斜めギザ」は大量に製造する通常貨幣では世界初で、縁に刻んだ斜めのギザギザのうち、上下左右の4カ所だけ形を変えた。

偽造防止が最重要課題のため、外部との技術交流は難しそうに思える。だが偽造貨幣を見分ける機能が求められる自動販売機やATMなどの業界団体とは技術情報を交換している。産業界の技術動向にもアンテナを張り、虹のように輝く2014年発行の新幹線開業50周年記念貨幣には「半導体製造の微細加工の発想を採り入れた」(造幣局の山名規雄理事長)。

偽造枚数少なく

世界的にも高額な500円の偽造貨幣発見枚数は19年に306枚で、流通している貨幣100万枚当たりの枚数は0.07枚だった。欧州連合(EU)の2ユーロ貨幣は発見枚数が16万8349枚で、100万枚当たりでは26枚になる。

実は今年発行の新500円に施される異形斜めギザなどの偽造防止技術は、先に発行された記念貨幣で既に実施されている。「自販機やATMのメーカーが新500円に対応する準備期間を設けるため」(元造幣局理事長の百嶋計・追手門学院大学教授)だ。将来、虹色の500円も登場するかもしれない。

造幣局は産業振興にも寄与している。貨幣製造はゼロからのスタートで、機械一式は「東の渋沢、西の五代」と並び称された五代らの尽力で香港造幣局から購入。一方、貨幣の洗浄などに用いる硫酸は造幣局が自ら製造し、民間企業に販売したり、輸出したりするなど「化学産業の発展に貢献した」(大阪産業経済リサーチ&デザインセンターの松下隆主任研究員)。

近代教育の先駆けでもあった。創業の翌年に「日進学社」(学舎とも)を設け、英語や化学、数学などを職員に教え始めた。当初はお雇い外国人から技術を学ぶためだったが「いずれは日本人だけで自立することを念頭に置いていた」(造幣局・造幣博物館の山崎祐紀子学芸員)。職員以外の希望者にも門戸を開いた。

やがて子弟の教育に重点が移り、1882年ごろまでには小学科、女子に裁縫などを教える女紅科、幼稚園を相次いで設立した。次世代の人材育成まで視野に入れていたようで、新しい国づくりの意気込みを感じさせる。(塩田宏之)

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