【1月28日 CNS】3000年前の「黄金仮面」が出土したことで知られる中国・四川省(Sichuan)広漢市(Guanghan)の三星堆(Sanxingdui)遺跡。その遺跡から発掘した文化財を修復・展示する「三星堆文化遺跡保護修復博物館」が昨年12月、現地に開館した。入場者は3000年前の古代蜀文明の文化財を鑑賞すると同時に、文化財の修復・復元作業も見学できる。

 三星堆文化遺跡保護センター内に誕生した同館は面積1000平方メートルで、展示エリアと作業エリアに分かれる。展示エリアは、国宝級の神樹紋玉琮、立髪銅人像、黄金仮面などが並ぶ。修復された黄金仮面は大きな目と耳、突き出た鼻など三星堆遺跡から出土する仮面の特徴的な表情を備えている。

 作業エリアでは、白衣に身を包んだ専門職員が文化財の修復や復元に努める姿をガラス越しに眺めることができる。作業ではCTスキャン、3D解析、光増幅レーザーなどの先端機器も使用している。四川省文化財考古学研究所の陳顕丹(Chen Xiandan)さんは「医者が病気の治療法を教えるように、私たちも文化財の修復・復元の方法を皆さんに伝え、関心を持ってもらいたい」と話す。

 三星堆遺跡管理委員会の賈蘇竹(Jia Suzhu)副主任は「来場者が文化財の復元プロセスをじかに見ることで、没入型の体験を味わってほしい」と期待する。

 三星堆遺跡は近隣の四川省成都市(Chengdu)にある殷・周時代の金沙遺跡とともに世界文化遺産登録の申請をしている。

 世界遺産登録の審査をする国際記念物遺跡会議(イコモス、ICOMOS)の姜波(Jiang Bo)副会長は「考古学の研究成果は登録申請の基礎となる。研究に励む考古学者らの絶え間ない努力により、三星堆遺跡は人類の遺産として卓越した価値を持つことが明らかになっている」と関係者をたたえている。(c)CNS/JCM/AFPBB News