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戦国時代、武田氏を支えた金山の歴史を伝える山梨県身延町の「甲斐黄金村 湯之奥金山博物館」が、全国47都道府県で採れた砂金を集めた「日本砂金地図」を15年がかりで完成させた。各地の愛好家48人が収集に協力し、先月、最後に残った千葉の砂金が加わった。同館は今月で開館25周年。学芸員の小松美鈴さん(48)は「愛好家の皆様のおかげです」と感謝している。
同館は、砂金採りを体験できるなど全国でも珍しい金山専門の博物館。愛好家が集まって情報交換する場にもなっている。
砂金収集のきっけは、1997年の開館当時、小松さんが「本当に川で砂金が採れるのか」と、町内の川で試してみたこと。さらに約15年前、北海道、栃木、群馬、山梨の砂金の特別展示を行うと、愛好家から「別の場所で採れた砂金を持っているので展示してほしい」との声が上がり、本格的な収集に乗り出した。
その後、約80センチ四方の砂金地図で常設展示を始めると、寄贈が相次いだ。最近は愛好家の間で「開館25周年までに達成しよう」との機運が高まり、昨年は島根、鳥取、広島、三重、香川の砂金が一気に集結。千葉を残すのみとなっていた。
千葉の砂金は、神奈川県秦野市の会社員林謙治さん(58)が採取した。砂金採り歴約20年のベテランで、旭市の砂浜から見つけ出した。「完成に貢献できて良かった」と話している。