堂島取引所、貴金属市場創設へ 年内にも
堂島取引所(大阪市)は29日、金や銀など貴金属を扱う先物市場を12月にも創設すると発表した。主力としていたコメ先物は2021年夏に上場廃止が決まり、事業のてこ入れが喫緊の課題となる中、新たな市場を通して成長につなげたい考えだ。
貴金属市場では金と銀、プラチナ(白金)の3商品を扱い、12月の取引開始を目標とする。24年度をめどに農産物と砂糖市場の取扱商品を追加し、将来的には現物やデリバティブ(金融派生商品)なども扱う総合取引所を目指す。
29日付で社長に就任したSBIホールディングス(HD)出身の村田雅志氏は、堂島取引所の取引高がゼロとなっている現状について「かなりの異常事態」と指摘。「早く取引のある取引所に戻すため貴金属市場を創設する」と訴えた。
コメ先物の取引再開に向けては「再挑戦もひとつの方策だ。農林水産省との交渉を通して早期に着手する」とした。
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