【パリ=三井美奈】エネルギーの脱炭素化を進める欧州連合(EU)で、リチウムの採掘ブームが起きている。リチウムは電気自動車(EV)バッテリー生産に欠かせず、「白い金」とも呼ばれる。世界的な獲得競争が激しくなる中で、EUは自主開発により、中国依存からの脱却を目指している。
過疎地に「黄金郷」
フランス中部の山間地がいま、欧州で「新たなエルドラド(黄金郷)」として注目を浴びている。エシャシエールという人口390人の村で、磁器の材料となるカオリンの採石場があった。そこで巨大なリチウム鉱脈が確認され、10月末に採掘計画が発表された。