中銀の金購入、昨年は1967年以来の高水準=WGC

中銀の金購入、昨年は1967年以来の高水準=WGC
 1月31日 国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、中央銀行による昨年の金購入は1136トン(700億ドル相当)と、1967年以降で最高だった。写真は2022年3月、ロシア・クラスノヤルスクで撮影(2023年 ロイター/Alexander Manzyuk)
[ロンドン 31日 ロイター] - 国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、中央銀行による昨年の金購入は1136トン(700億ドル相当)と、1967年以降で最高だった。
1990年代、2000年代は、西欧を中心に中銀が多くの金を売却したが、08─09年の金融危機以降は、欧州の中銀が金売却を中止。ロシア、トルコ、インドなど金を購入する新興国の中銀が増えている。
WGCのアナリストは「これまでの流れが続いている。昨年は地政学面やマクロ経済面で不透明要因が多く、ボラティリティーが高かった」と述べた。
中銀による金の購入は、新型コロナウイルスの流行で落ち込んだが、昨年下半期に購入が加速した。昨年7─12月の購入量は862トンだった。
トルコ、中国、エジプト、カタールなどの中銀は昨年、金を購入したことを明らかにしたが、中銀による金購入の約3分の2は、情報が公開されていないという。
WGCは、今年の中銀の金購入が昨年の水準に匹敵する可能性は低いと指摘。準備金の減少で購入余力が低下する可能性があるとしている。ただ、一部の中銀は購入の報告が遅れるため、購入量が予想を上回る可能性もあるという。
昨年の世界の金需要は前年比18%増の4741トンで、11年以降で最高だった。  

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