“金”最高値で買取店に異変が…世界一の金塊は25億円超えに

国内の金の小売価格は21日、1グラムあたり1万178円をつけ、最高値を更新しました。

金の価格高騰を受けて、世界一の巨大な金塊も展示を始めた時の6倍以上に。

でも、ちょっと待ってください。
注意しなければならない点もあるんです。

ギネス世界記録で世界一の重さの金塊を展示しているのは静岡県伊豆市の観光施設「土肥金山」です。

金槐の重さは、250キロ。来場者は金槐を直接、手で触ることもできます。

金槐のそばにはその日の金の価格に応じた値段が表示されますが、22日の表示は25億2200万円でした。

2005年に展示を始めたときの価格は、およそ4億円だったので、6倍以上になっています。

この施設のもう一つの名物が、併設されたカフェで出している金ぱくを巻きつけたソフトクリーム。

1個1000円で販売していて、金箔の仕入れ値も上がっているということですが「看板商品なので値上げはせずに頑張りたい」としています。

価格の上昇が続く “金”

大手貴金属会社「田中貴金属工業」が21日発表した国内の金の小売価格は1グラムあたり1万178円まで値上がりし、最高値を更新しました。

22日はやや値を下げ、1万89円となっています。

金の1グラムあたりの小売価格は
▽先月29日に初めて1万円を超えると、
▽今月6日には1万105円を記録。

その後も1万円を超え続けています。

田中貴金属工業によりますと、価格上昇の背景には、世界経済の先行き不透明感やインフレなどの不安要素があるなか、日米の金融政策の違いによる円安が進行していることがあるとしています。

「価格は高値を維持するかさらに上昇する可能性もある。1グラム1万円を超える状況においても、国内の個人レベルでも円を金に換えて資産を守ろうとする動きは活発に続いている」(田中貴金属工業)

買取の店舗には

金の価格上昇を受けて関東や関西を中心に貴金属などの販売・買取を行う企業にはふだんの2倍の客が訪れているということです。

都内の店舗には、22日も午前11時の開店から客が訪れていました。

金のネックレスや指輪の査定に訪れていた50代の女性に話を聞くと。

「金の値段が1グラム1万円を超えたというニュースを見て娘のすすめもあり、自宅で使わなくなった金製品を売りに来ました。買い取り額は5万円くらいになればいいと思いましたが、その5倍くらいで買い取ってもらえて驚きました」

金の価格上昇を受けて、持ち込まれる金製品にも変化があるといいます。

アクセサリーだけでなく、投資目的で保有していたメダルや「インゴット」の持ち込みが増えているそうです。

ゴールドプラザ 鑑定士 川崎拓さん

ゴールドプラザ 鑑定士 川崎拓さん
「先月に1グラム1万円を超えたあたりから客足が伸びました。1万円を超えるのを待っていたようで、特に投資目的で保有していたインゴットを売りに来る方が増えています。一方で金を買いたいという客も多く、高値の状況はしばらく続くとみられます」

「押し買い」に注意!

金の高騰を受け注意をしなければいけないのが、いわゆる「押し買い」によるトラブルです。

国民生活センターによりますと「自宅に来た買い取り業者に、貴金属を強引に安く買い取られた」など、訪問買い取りに関する相談が増えているといいます。

相談件数は今年度、今月19日までの集計で、3464件寄せられていて、昨年度の同じ時期に比べて、582件、率にして20%増えているということです。

今月も、金のネックレスなどを業者に買い取られ、後日調べてみるとかなり安い値段だったという相談が寄せられています。

相談した人はクーリング・オフを申し込んだものの、業者からは「時間がかかる」などと不明確な回答だったということです。

「金の高騰が背景にあるかははっきりとは分からないが、今後もこうした事例が増えるおそれはある。売るつもりの無い貴金属の売却を迫られたらはっきりと断って欲しい。また、訪問買取では書面を受け取ってから8日間は物品を渡さないこともできるのでトラブルを防ぐひとつの方法になる」(国民生活センター)