アングル:金は目先スピード調整も、来年は最高値更新か

アングル:金は目先スピード調整も、来年は最高値更新か
 12月4日、 過去最高値を更新した金の国際価格は、米国の利下げのタイミングを巡る不透明感などから目先はスピード調整するかもしれない。ロシア・ノボシビルスクの金の精製工場で9月撮影(2023年 ロイター/Alexander Manzyuk)
[5日 ロイター] - 4日に過去最高値を更新した金の国際価格は、米国の利下げのタイミングを巡る不透明感などから目先はスピード調整するかもしれない。しかし幅広い地政学上のリスクを考えれば、再び高値を追う可能性は十分あるとアナリストはみている。
ウクライナと中東の戦争を受けた安全資産への逃避と、米国の利下げ期待が相まって、利息を生まない金は、債券や米ドルに対する相対的な魅力が高まり、急上昇した。
金価格は、米連邦準備理事会(FRB)がハト派に傾いたことを好感して上昇した後、足元で少し反落した。
今年は中国を筆頭とする中央銀行による着実な買いも金価格を支えており、来年もこの流れは続くとアナリストは予想している。
金の上場投資信託(ETF)最大手、SPDRゴールド・シェアーズETFには、11月に正味10億ドル余りの資金が流入し、昨年3月以来で最大の流入となった。
大半のアナリストは、金先物は短期的には反落し、来年に上昇を再開してオンス当たり2150ないし2300ドルに向かうと予想している。4日には2135.40ドルの過去最高値を付けていた。
スタンダード・チャータードのアナリスト、スキ・クーパー氏は「金は過去2年間、金融政策の見通しを拙速に織り込んだことが知られている。当社はFRBの次の一手を利下げと予想するものの、今すぐ実施するとは想定していない」と語った。

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トムソン・ロイター

Reports on commodities and energies market.