NY金、3カ月ぶりに最高値更新 米利下げ観測が支え
【ニューヨーク=佐藤璃子】金(ゴールド)の国際価格が上昇し、史上最高値を更新した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)では6日、取引の中心である2024年4月物が一時、前日に比べて18.8ドル(0.9%)高い1トロイオンス2160.7ドルまで上昇した。これまでの最高値(23年12月の2152.3ドル)を3カ月ぶりに更新した。
米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待を背景に、金利がつかない金に買いが入っている。新興国の中央銀行によるドル離れや個人の金買いも金の需要を支える要因となっている。UBSのウェイン・ゴードン氏は「米大統領選に注目が集まるなか安全資産とされる金に資金が流入している側面もある」と指摘する。
NY先物と並ぶ金の国際指標であるロンドンの現物の取引価格も6日、一時1トロイオンス2152.09ドルと最高値を更新した。年初来では4%程度上昇している。
FRBのパウエル議長は6日、米議会下院での証言に臨んだ。利下げ開始時期を「今年のある時点」と表現するにとどめた。当面は経済データを見極めるという従来の姿勢を改めて示した一方で、市場の一部では「年内に利下げがある」と受け止められた。一方、米労働省が同日発表した1月の雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数は市場予測を下回り、早期利下げへの期待を支えた。
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