来年夏に延期された東京オリンピック(五輪)の柔道と空手の会場で、増設改修工事を施した日本武道館は29日夜、ライトアップの点灯式を行った。午後6時、カウントダウンのかけ声とともに武道の聖地に幻想的な光景が広がった。外面には163台のLED照明が設置され、屋根中央部の擬宝珠(ぎぼし)付近には世界初となる金色LEDを使用した。

デザインは、東京タワーやエッフェル塔などの照明を手掛けた石井幹子さん(82)が担当。テーマは「満月のような輝きを放った富士山」で、維持・管理しやすいように電気代もおさえた「1時間約90円」の省エネ設計だ。日本武道館の高村正彦会長は「新生日本武道館が、東京のランドマークとして末永く親しまれることを願っている。東京五輪の道しるべとなるべく、コロナ収束の明るい社会の象徴となることを期待したい」。

ライトアップは毎日午後10時まで。