[金投資家インデックス] 新規の金投資家数が4年ぶりの低さへ下げる
「金を買う」のネット検索数が世界金融危機以前の水準へ下げる中、
新規の金投資家数が4年ぶりの低さへ下げる
2018年6 月5 日ロンドン: 5月は新たな貴金属の投資者数が、2014年5月以来の低い水準へ下げていたことが、ブリオンボールトの最新のデータで明らかとなった。
ブリオンボールトが提供するオンライン貴金属取引プラットフォームを利用した新規顧客数は過去12か月の平均から27.7%減で、過去5年間の月間平均においては52.7%となっていた。
また、インターネット検索を分析するGoogleトレンドのデータによると、世界の「Buy Gold(金を買う)」という検索は、世界金融危機直前の2007年7月以来の低い数値となっていた。
ブリオンボールトの既存の顧客による利益確定の売却取引は前月同様に起きていた。
世界の71,000人のユーザーによって利用されているブリオンボールトのプラットフォームでは、4月に98キロの金が売却された後に、5月には85キロが売却されていた。それにより、顧客によってチューリッヒ、ロンドン、シンガポール、ニューヨーク、トロントで保管されている金の総量は、3月の史上最高値の38.8トンから0.5%減少していた。
この金保管総量は、世界の多くの中央銀行の金準備高を上回る規模で、その評価額は16億ドル(1750億円)相当となっている。この規模は、ワールド・ゴールド・カウンシルが発表しているデータによると、世界の株式市場で上場されている金現物に裏付けされている金の上場投資信託(ETF)と比較しても、トップ12位に入る規模となる。
ブリオンボールトのリサーチ・ダイレクターのエィドリアン・アッシュは、この数値の背景を次のように分析している。
「金価格は、しばしば金融システムへの懸念の度合いを量る指標とも見られている。そして、2018年の株式市場の急落時、そして地政学リスクが高まった時には、そのように反応していた。しかし、安産資産とも呼ばれている金への興味は、新規顧客数が数年ぶりの低い水準へと下げているように、個人投資家の中では薄れている。
価格の上昇は、活発な取引を行う投資家や、より低い価格で購入していた投資家にとっては利益確定の機会でもあった。ブリオンボールトのプラットフォームでは、売買がオンラインで手軽に行えることからも、価格の動きが激しい際にはこのように売買が活発に行われることがある。しかし、金貨や小規模な地金市場においても、高い取引手数料を支払わなければならないにもかかわらず、長期保有の金所有者が売却を行っていた。
こうして売却した資金を使って、株式や仮想通貨を購入しているかもしれないが、金融システムの保険という役割の金への投資需要は明らかに減少していると言えるかもしれない。」
ブリオンボールトのデータでは、5月に新たに金購入を始めた顧客数と月間の購入量が売却量を上回っていたネット購入者数は、2016年1月以来の低い水準であった4月から12.1%増加していた。しかし、ネット売却者数は22.8%増加し、4ヶ月ぶりの高い水準となっていた。
そのために、欧米の個人投資家の金への投資傾向を、実際に行われた取引データから算出する金投資家インデックスは、9ヶ月ぶりの低さの52.4と、4月の52.5から下げていた。
金投資家インデックス(ブルームバーグ端末:BVGDINDX)は、金価格が記録的な高さへ上昇した2011年9月に71.7と最高値を記録し、2015年の1月に50.5の最低値を付けている。この数値がが50である場合は、その月のネットの購入者数と売却者数が完璧に一致したことを示している。
他の主要な金投資商品も5月は低い数値を付けていた。
金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェア(NYSEArca:GLD)の残高は5月に4%減少し、それまでの2か月間の増加量を失い、1ヶ月間の減少量としては、昨年8月以来の大量なものとなっていた。
また、米国造幣局は24,000オンスのアメリカンイーグル金貨を販売していた。これは小売店が在庫を整えたためで、前月4月と比較すると大きく伸びてはいたが、過去5年間の5月の平均販売量と比較すると半分にも至っていなかった。
次に銀の投資傾向を見てみると、先月5月には1月以来の高い水準のネット売却者数を記録し、4月と比較しても8.2%増だった。それに対しネットの購入者数は、2018月以来の低い水準で、前月比12.4%減となっていた。
そのために、銀投資家インデックスは、50.6と2017年8月以来の低い数値となっていた。
しかし、重量においては金とは異なり、4トンを超えて増加して717.7トンとなっていた。これは、多くの小規模な投資家の売却量を上回って、少数であっても大規模な投資家が購入していたことからだった。
以上
連絡先: ホワイトハウス佐藤敦子
直通電話番号: +44(0)20 8846 3804
メールアドレス:atsuko.whitehouse@bullionvault.com
金投資家インデックスについて
ブリオンボールト社の「金・銀投資家インデックス」は、個人投資家向けオンライン金・銀現物所有サービスにおいて世界最大のブリオンボールト社が所有するデータを基に算出されている。これは、24時間運営されているブリオンボールト社の市場でユーザーによって売買された取引データである。この指標が50を超えた場合、その月の金・銀のネット購入者数がネット売却者数を上回ったこととなり、個人投資家が金・銀投資に対して強気姿勢であることを意味する。このインデックスの詳細は、ロンドン貴金属市場協会発行の雑誌「Alchemist」の2013年5月号の記事(英語)を参照。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業であり、現時点で7万人を超える175ヵ国の顧客が、低い費用で流動性が高く安全な貴金属専門市場にアクセスできるこのサービスを利用している。
89%が北アメリカと西ヨーロッパに居住するブリオンボールトの顧客によって保管されている金地金の評価額は、現在約16億ドル(約1750億円相当)であり、これは、多くの中央銀行が保有する金備蓄量を上回る。それに加え、3億8200万ドル(約410億円相当)の顧客の銀地金を保管し、2017年3月にワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルと提携して提供を始めた1500万ドル(約17億円相当)の顧客のプラチナを保管している。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
•オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
•米国ドル・ユーロ・英国ポンドによる即時決済。
•地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
•日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして、2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引部門で2度目の受賞をしている。また、英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされ、そのサービスは、2014年11月に、英主要経済誌「Money Week(マネーウィーク)」の購読者によって「最良の金取引業者」に選ばれている。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp