■シリーズ最大の「1キロ貨」、金貨の発行枚数は僅か“27枚”
　純金1キロおよび純銀1キロからなるこのコインは、英国王立造幣局が王室の歴史的行事を記念して特別に鋳造したもので、戴冠60周年公式記念貨シリーズ最大です。コイン裏面には、女王が即位した1953年6月2日の日付と、戴冠式で女王が使用した戴冠用の宝珠(※1)、女王とイングランドを象徴するバラなどが描かれ、女王が戴冠した60年前の栄光の日を記念するにふさわしい、精緻なデザインが施されています。また、発行枚数も1キロ金貨は女王が戴冠した時の年齢にちなみ、僅か“27枚”、1キロ銀貨も女王エリザベス即位年と英国初の女王であるメアリー女王の即位年の間の年数にちなみ“400枚”と、いずれも希少性の高いコインです。

■戴冠式に欠かすことのできない宝器を描いた「5オンス貨」
　最後を締めくくる5オンス金・銀貨は、戴冠式が行われたウェストミンスター寺院内部を背景に、式典で使用された宝珠と王笏(※2)が描かれています。5オンス貨は直径が65ミリと面積が大きいため、遠近法で描かれたモチーフに奥行きと空間が生まれ、歴史的建造物が持つ権威と美しさを伝えています。そして、1キロ貨同様発行枚数は大変限られており、5オンス金貨の発行枚数は戴冠式で正式に女王が象徴を務めた国と領土の数にちなんで129枚、5オンス銀貨の発行枚数は戴冠した年を表す1,953枚です。

※1 宝珠(ほうじゅ)…世界に対するキリスト教の権威の象徴。
※2 王笏(おうしゃく)…君主が持つ象徴的かつ装飾的な杖。王権の象徴の一つ。