欧米諸国での金投資が4年ぶりの高水準に、価格は過去最高値を更新
2025年7月1日・ロンドン -金価格が新たな過去最高値を記録する中で金への投資が急増し、世界有数のオンライン貴金属投資サービスを提供するブリオンボールトでは、金購入者が売却者を上回る割合は、過去4年間で最大となった。
西ロンドンを拠点とするフィンテック企業のブリオンボールトの顧客は、現在、過去最高の60億ドル(8790億円)相当の貴金属を保有しており、利用者の9割が西ヨーロッパと北米に集中している。6月には、この顧客による金の購入量が売却量を250キロ超過して上回り、これは2022年7月以来最大のネット増加量となる。
金価格は6月の月間平均で米国ドル建てで2.3%上昇し、トロイオンスあたり3,352ドルと、6ヶ月連続で史上最高値を更新。これは過去14年間で最も長期間にわたる上昇となった。
一方、為替市場で米国ドルが数年ぶりの安値に下落したため、ドル建て以外の通貨建てでは上昇幅は控えめとなっていた。英国ポンド建てでは、月間平均で12ヶ月連続で上昇し、ほぼ20年ぶりの長期の上昇期間で、ユーロ建てでは11ヶ月連続で上昇し、これは2009~2010年の欧州債務危機時と並ぶ強さとなる。なお、日本円建ての月間平均価格も6ヶ月連続で上昇している。
ブリオンボールトのリサーチディレクター、エイドリアン・アッシュ氏は次のように解説している。
「この春に日次記録を次々と更新した金は、2025年下半期の始まりにあたる現在も、史上最高値を更新しながら上昇を続けている。欧米諸国の個人投資家たちは、中央銀行やアジアの富裕層に続いて金の強気相場に参入し、トランプ大統領の二期目の政策による地政学的・経済的な衝撃に備えて、資産構築を始めている。」
ブリオンボールトの新規顧客者数もパンデミック以来の高水準を維持しており、6月末時点で金保有量を増やした投資家数は前月比で12.0%増加。一方で、購入を超える売却をした投資家数は7.5%減少していた。
これにより、投資家心理を示す「金投資家インデックス」は1.4ポイント上昇して56.9となり、2021年6月以来の高水準を記録。指数が50.0の場合、買い手と売り手の数が完全に一致していることを意味する。

エイドリアン・アッシュは次のようにコメントしている。
「2025年前半の利益確定売りの後、欧米諸国の個人投資家による金投資が力強く回復しているが、パンデミック時や金融危機時のような一方通行の動きにはなっていない。米国では金の安全資産としての需要が西欧に比べて依然として控えめで、ドルの下落し、株式などリスク資産が史上最高値へと上昇していることが背景にある。」
6月には新たな貴金属投資も再び増加し、ブリオンボールトの新規顧客数は2021年3月以来2番目に多い水準を記録した。
ブリオンボールトにおける10の主要国市場すべてで、5月と比べて新規顧客数が増加。5月は、4月の50か月ぶりの記録的な水準から37.2%減少したが、6月の新規顧客数は、ユーロ圏では過去5年間の月間平均を47.0%上回り、英国でも45.6%上昇していた。一方、米国ではこの平均を7.9%下回っていた。
重量ベースでは、6月のネット金需要(256キログラム)により、ブリオンボールトの顧客による金保有量は3か月ぶりに44.0トンを超え、評価額では過去最高の46億ドル(6710億円)に達した。これにより、年初からの純流出量はわずか0.2%(108キロ)にとどまった。
銀の評価額も過去最高の13億ドル(1920億円)に達し、プラチナ族金属(PGMs)も1億700万ドル(150億円)で記録を更新。ただし、これら産業用途の貴金属はすべて、価格上昇に伴い大幅な利益確定売りに直面することとなった。
銀はドル建てで月間平均9.9%上昇(ユーロ建てで7.6%)、プラチナは21.5%(ユーロ建てで18.9%)、パラジウムは8.1%(ユーロ建てで5.9%)の上昇となった。
その結果、銀投資家インデックスは2.5ポイント低下し50.5と、1月の49.7以来、最も低い水準となった。
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ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
金投資家インデックスは、新型コロナウィルスが世界的に広がった2020年3月に65.9と10年間の最高値を記録し、2024年3月には47.5と記録的な低水準に下げていた。
ブリオンボールトが発表するデータは、他の金銀地金市場のデータを補完し、世界最大の個人投資家へ行ったアンケート等の「意図」ではなく、実際に取引されたデータを基に算出されている。詳しくは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)のAlchemist誌の2013年の記事を参照。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ・パラジウム地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。今年4月で20年を迎える専門市場の低コストと深い流動性とセキュリティーを提供するサービスを利用して、現段階で175か国からの115,000人を超える個人投資家が60億ドル(8790億円)相当の地金を保管ている。また、ブリオンボールトのサービスは自己投資型個人年金の英国のSIPPや米国のIRA口座、信託口座、企業やチャリティー団体が現物金地金を保有するためにも使われている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
•オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
•米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
•地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
•日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年から専門業界団体であるロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員であり、2017年には、鉱業業界が支援するワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルのオンライン保管金銀地金パートナーに選ばれる。BBC、Handelsblatt、Bloomberg、日経ビジネスなど、英国内外の主要メディアで定期的に引用されているブリオンボールトは、2022年に3度目の英国企業女王賞を受賞している。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp