ゴールドコラム & 特集

ローマコインのお話

今回は古代ローマコインのお話を・・・
 
ローマ帝国の歴史は大きく分けて、共和政時代と帝国政時代に分かれます。
今から、2000年以上も前に実際に使われていたコインを何故、我々は手にする事が出来るのでしょうか?
今、世界中のオークション・コインショーに出品されている古代コインはどのような経過を経て出現しているのでしょう?

その答えは、地下の遺跡から偶然発掘されて出てきたものがほとんどです。
古代の地層は現代の地層から約50cm~1m以上も下で、当時ローマが支配していた領土(イタリア本国、ヨーロッパ全域、北アフリカ、中近東など)の遺跡からその当時のままで手にする事が出来ています。
ある時は地下に埋められていた壺(アンフォラ)から、又ある時は壁に埋め込まれていた金貨・銀貨などがザクザクと・・・・・。
当時、金庫等という収納物は無かった為の手段だったと思われます。

現在、イタリア・ギリシャなどで遺跡から出土される品はすべて持ち出し禁止となり流通が非常に少なくなっております。
国の財産として保護していく考えで、世界中の博物館へ返却裁判を起こしている状況は新聞等で知られています。

ローマコインを良く見ると歴史を感じる酸化したコインと、きれいなコインとの大きく分けて2種類がありますが、きれいなコインは酸化が極端にひどい物は、薬品や洗浄などで処理されている物で、トーン(自然酸化した物)と区別されています。
価格的には20%位の差でトーン物が高いようです。
どちらも本物ですので、その価値は変わりません。

さて、ローマコインの人気コインは?
当店におけるお客様の傾向は、コインの種類では圧倒的にデナリウス銀貨で95%以上となっています。

年代別では、
共和政コイン60%、帝国政コイン40%
の販売実績となっています。

やはり1番人気コインは、共和政のローマ神デナリウス銀貨!
2番目はこれ又、世界的に人気のあるユリウス・カエサルのコインですが、希少性もありどんどん価格が値上がりしているのが気掛かりです。
10年程前と比較しますと、ビックリするような価格となっています。
以前はマーケットに量的にも一杯あり、
価格もリーズナブルだったのですが・・・・・・

下のコインは左がローマ神、右がカエサルの象のコインです。



また、帝国政コインでは哲学皇帝であるマルクス・アウレリウス帝、五賢帝皇帝のトライヤヌス・ハドリアヌス帝などが人気で、価格もリーズナブルです。
下のコインは左からハドリアヌスとトライヤヌスのコインです。



これらはいかにもローマ皇帝の雰囲気を感じられるコインの数々です。


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プロフィール

藤野 拓司

Fujino Takuji

ティアラ・インターナショナル株式会社 ディレクター

福岡県出身。早稲田大学卒業。古代ギリシャ・ローマコイン コレクター。コインジュエリー メーカー&卸売業、30年の実績。国内・海外コイン商との直接取引、25年?、国内・海外コインオークション、参加25年?(主としてロンドン・ニューヨーク)

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