Vol.7 金の糸の美容術
年齢を重ねるにつれ、お肌のしわやたるみ、ハリが気になってくる女性は多いと思います。現在、韓国をはじめ、中国・日本ではプチ整形がはやっているようですが、多くの女性にとってみずみずしい卵肌を保つことは永遠のテーマではないでしょうか。今回は、アンチエージングをテーマに、「金の糸の美容医療」について書いてみたいと思います。
「金の糸の美容医療」とは、純金でできたあみあみの形の極細の糸を皮膚に埋め込むことでコラーゲンや血管の再生を促進して老化した肌をよみがえらせるという美容法です。
金の糸を使った美容の歴史は古く、絶世の美女として知られた古代エジプト時代の女王・クレオパトラも肌に金の糸を埋め込んでいたという記述が残っています。彼女は39歳の時に亡くなったのですが、その当時の素肌は15歳の少女のような肌であったといわれているそうです。エジプト王家の墓の発掘では大量の金の糸が発見されており、ミイラの顔にも金の糸が巻きつけられていたそうです。そして、これが、クレオパトラの美しさの謎を解明する鍵となったのです。
では、なぜ金の糸は美容にいいのでしょうか?金の糸を真皮に入れると、体はこれを異物だと認識して修復しようと繊維芽細胞がそこに集まります。コラーゲンなど美容に良いものを作り出すこの細胞は、働きが活性化することで肌にツヤや弾力をよみがえらせるのだそうです。具体的には、肌のハリが戻る、シワが目立たなくなる、血行促進と肌の再生による美白効果、ニキビ・肌荒れの改善などが挙げられ、その効果は半永久的に継続すると言われています。実際に私も、赤くかぶれていた耳が24金のピアスをつけていたらいつの間にか治ってしまったという話を聞いたことがあります。
金の糸に使われる材料は99.99%の純金であり、顔全体に埋め込む場合は約20本が必要で、一回に平均80万円?110万円の高額な料金が必要だそうです。これには高い施術スキルが求められている為、まだ症例数が少なく、市場ではあまり普及しておりません。また、一度埋め込んだ金の糸は取り出すことはできません。
もし、金の糸の美容を誰もが手軽に受けられるようになれば、世界中の多くの女性がこの美容法を利用することで莫大な市場ができあがるでしょう。そして、需要が高まることで金の価格にも影響が出るのではないでしょうか。
1990年代に入り、ロシアの医師団が「金の糸の美容術」の医学的研究を開始し、安全で効果の高い施術法が確立されました。ロシアは厳格な体制の下、国家をあげて医療の発展に力を注いできました。また、ロシアでは美容医療を行う医師は必ず個々の技術と、正規のライセンスを取得する義務があります。
日本では2004年に「金の糸」による施術が解禁となりましたが、まだその歴史が浅いため、実際に施術を受ける場合には、慎重なクリニック選びがポイントになるかもしれませんね。