Vol.10 純金と婚約指輪
みなさん、いつの頃から婚約の証に指輪を贈るようになったのかをご存じでしょうか?
一説には古代ローマ時代ではないかといわれています。いつの時代も男女間のロマンは変わらないものなのですね。
古代より「輪」には永遠の守護という意味があり、古代の人々にとって指輪は大切な装身具でした。しかし、当時の婚約指輪というと重い鉄製の輪が一般的でした。それは、強い力を象徴する金属とされていた「鉄」が、結びつきを表現するのにふさわしいと考えられていたからです。一方、金の貴重性は当時から変わらず金製の婚約指輪を使用できたのは、一部の特権階級のみだったそうです。
そして時は流れ、2世紀よりもずっと後になってから金の婚約指輪が一般的に身につけられるようになったのです。とは言っても、人々が実際に純金を身につけるのは人前に出るときだけで、家の中では鉄の指輪を付けていたそうです。このことからも、当時から金が大変貴重なものであったという事が伺えます。
さて、婚約指輪といえば“給料の3か月分”と言葉をよく耳にしませんか?実はこれは、南アフリカ共和国のデ・ビアス社という大手宝飾会社が1970年代に打ち出した有名なキャッチコピーで、日本でも同社の広告で積極的に使われたようです。
とは言っても、当時の“給料3ヶ月分”と現在の“給料3ヶ月分”ではその価値が全然違うはず。実際のところ、どれほどの違いがあるのか金を基準として比較をしてみました。まず、以下の日本の平均月収の推移を表したグラフを見てみます。なんと、現在の平均月収はバブル期よりも少ないのです。バブルだから仕方ないのかもしれませんね。。。それでも30年前と比べれば、さすがに2割増しくらいにはなっています。
そして以下が、“給料3か月分”で買える金の量の推移をグラフに表したものです。
見ての通り、2000年以降は金価格が高騰し購入できる金の量は減少しています。ただ、為替を見てみると1980年以降、大幅な円高が進みました。その結果、80年代前半と比較して(金の価格はおよそ2.3倍になっていますが)、円で購入できる金の量に限って言えば今の方が30%も多くなっているのです。
30年前と“変わらぬ金の輝きを”・・・婚約の証にはゴールドを贈ってみてはいかがでしょうか。