Vol.13-金箔で‘ハク’がつく
箔座のショップには、器やバッグやアクセサリー、化粧品や食品など金箔を活かしたさまざまな商品が満載。そんな輝きを放つ品々がひしめく中、地味?な姿でひっそりとたたずむモノたちがいます。彼らは大きな主張はしませんが、いつもずっと守り神のように座しています。その正体は、箔素材の金箔!(銀箔などもありますが…)
店で金箔商品を見て興味がわいた方、つねづね趣味のクラフトづくりに活かしたいと思っていたけどどこで買えるのかわからなかった方、プロの作家の方など、金箔素材をお求めの方は様々です。
プロの方はさておき、多くの方は、金箔をはってみたいけど何が何だかさっぱりわからん!という状態です。何にはるかによっても異なりますが、かなり大雑把に言いますと、はりたいと思うモノとそれに適した接着剤、金箔を扱う道具があれば金箔ははれます。金箔だけ注文して、「金箔がはれません! どうしてなのっ」とおっしゃる方もおいでます。接着剤の存在をどうぞお忘れなく。接着剤とはすなわち、モノと金箔をつなぐ役割のものです。
例えばポストカードの場合はスティックのり。はりたい箇所にちょこちょこっとスティックのりを塗る → 乾いた割り箸で金箔をのせる → 余分な金箔を筆などではらう…で完成。カラフルな色箔も一緒に使うのもオススメ。これはもうそこらの普通のはがきではありません。箔がついていますもの。そうそう、皆さん、‘ハクがつく’のハクは金箔の箔からきているんですからねっ。
ポストカードならこれでよいのですが、同じ紙でも本格的な日本画の場合の接着剤には主に膠が使われますし、木やプラスチック、金属、布など素材によってそれぞれ適した接着剤を使用します。ちなみに箔座本店の「黄金の茶室」は、漆で金箔をはっています。
余談ですが、ガラスや陶磁器においては、金箔を後からはるよりも、制作途中で中に入れ込んだり焼き付けたりといった使い方が主です。厳密に言いますとその場合は、1万分の1mm厚の‘金箔’ではなく、そのおよそ10倍の厚さの‘上澄’が使われます。そのくらいの厚さ(それにしても、およそ1千分の1mm!)がないと、ガラスや陶磁器の制作で生じる高温に耐えられないからです。
極論を言えば、金箔は相性のよい接着剤があれば、空気と水以外のどんなものにでもはることができます。(水には浮かべられるけど?)
金箔は、基本的に‘材料’という存在なのです。いかにすばらしい金箔であっても、それだけでは作品にはなりません。何かに活かされて、はじめて金箔も評価されるというもの。
まばゆい輝きを披露する日を夢見て、金箔たちは今日も店の片隅で皆様のお越しを待っています。
*箔材料についてはコチラ。初心者でも手軽に楽しめるアイテムもあります。
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