ゴールドコラム & 特集

Vol.19-皆様のおかげです by 金箔

ご存知のように金箔はとってもデリケート。いたずらなそよ風が吹いただけでクシャッとなり、美しさに誘われちょっと触れただけでも破れてしまう繊細な金箔。おまけに湿気にも弱くて… その繊細さときたら、悩み多きティーンエイジャーの比ではありません。
こんな気難し屋、いえいえ、超繊細な金箔はどのような姿で日々過ごしているのでしょう。

金箔の束をご覧になったことがありますでしょうか。
1万分の1?2?の薄さに打ち上がった金箔は、1枚ごとに和紙を重ねて束にしています。この和紙は、合紙と言い(私たち箔の業界では切紙とも言います)、ただの和紙じゃあないんです。

伝統金箔「縁付」の合紙は、三椏(みつまた)100%、岡山県津山市産の手漉きの和紙です。三椏は細く長い繊維。機械ではなく、一枚一枚ていねいに手漉きでつくられます。
津山産の手漉き和紙は薄くてなめらかなので、超デリケートな金箔を傷つけることがありません。金箔をキズや湿気から守り、紙に金箔が付着することがなく、保管することができるそうな。また、金箔をはる際にも、金箔にそっと寄り添い、はり終えるときれいに離れるという優秀な和紙なのです。
我社では、伝統金箔「縁付」には全て津山産の手漉きの切紙を使用しています。


伝統金箔「縁付」。金箔との間に挟まれている合紙(切紙)が津山産の和紙。


こんなに薄い! 細かい文字まで透けて見えます。これを"あぶらとり紙"と思われている方がいらっしゃいますが、違うんですね。


三椏(みつまた)。三叉になってる! 我社の玄関に活けてありました。あまりのタイムリーさにうれしいけれどビックリ!


ちなみに、金箔を挟む前には、電熱コンロが入った火箱に入れ、ゆっくり水分を抜いて"火上げ"という作業をした後、1?2日かけて重石をのせてのばします。すごい手間のかけよう!

そうそう、三椏は、紙幣の原料にも使われているそうですよ。なんか、こう、ぐっとリッチな感じが… さすが、薄くても金! 身に纏うものさえこだわりの品。って言うか、薄くて繊細な金だからなんですね。
津山産のこの合紙があるから、金箔は美しい状態で保つことができるのです。ですから、ちょっと飛躍しすぎかもしれませんが、この合紙があるから金沢は金箔の全国生産量の99%を誇る産地となり、品質のよい状態で全国にお届けできているのです。
津山の手漉和紙職人さ?ん 本当に本当にありがとうございます! 

金箔は、多くの職人さんの技により生まれ、育てられ、生かされているのです。
今回も金箔に教えられました。ワタクシも周りの皆様のおかげで今の自分があるということを。人は自分だけの力で生きているわけではないのです。感謝の心が大事なのです。
…って、ホントにためになるなあ「1分でわかる金箔」って。みんな、読んだ方がいいよ!(それが本音かっ)

*三椏…ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。


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金沢「箔座」がお届けする「箔品」の数々。美容、アクセサリー、ファッション、食、あぶらとり紙からインテリアまで。箔座が考える“箔のある”ライフスタイルをご提案いたします。

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プロフィール

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HAKUZA

世界に誇る伝統の技を残し、世界遺産となった中尊寺金色堂など重要文化財の金箔を手がける。2002年、「純金プラチナ箔」(特許取得)を開発。箔本来の力と美しさを「箔品」として表現し、「箔座本店」をはじめとする石川県金沢市の直営店のほか、東京日本橋で旗艦店「箔座日本橋」を展開。

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