Vol.23-違いのわかる職人の、間違いのない仕事
箔座ブランドの商品は、バッグやアクセサリー、器、インテリア、とカテゴリーも多岐にわたります。箔の加工方法もさまざまで、アイテムそれぞれに金箔の魅力を最大限に表現しています。
金箔メーカーだからって、箔は売るほどあるからって、「とにかくふんだんに金箔を使いさえすればOK!」というものではありません。箔座ブランドでは、バッグもアクセサリーも器も、アイテムとして本当に欲しいもの、持ちたいもの、魅力を感じるものをつくることをモットーとしています。金箔の魅力が価値あるものとしてそこに活かされていることが大切で、極端な話、金箔が施されたことで魅力が感じられないような商品はつくるべきではないと考えています。商品開発担当者は、常にこのことを理念として開発に取り組んでいます。
金箔の魅力を最大限に活かされているものを世に送り出すには、開発者だけでなく、それを実際につくる人の存在が不可欠です。特に金箔をはる職人は、アイテムに箔座ブランドとしての命を吹き込んでいると言えるほど重要な存在です。
バッグひとつとっても、グログラン、麻、コットン、レザーと素材はいろいろ。素材によって、下準備から接着剤、箔はりのタイミングや仕上げなどが異なりますし、デザインによって加工方法も変わりますが、箔はりのプロフェッショナルはいかなるアイテムであっても先述の“金箔の魅力を最大限に活かす”ことを実現させます。
箔をつくる職人同様、箔はりのプロフェッショナルはどの人も探究心が強く、常に技の向上に努めています。しかし、技術がすべてではない、と職人は言います。
「もちろん技術は大事ですし、金箔についての知識や経験も同じくらい重要です。しかし、自分がもっとも大切に思っていることは、箔の表情が美しく表現できているかどうか、箔そのものを活かしきれているかどうか、です。そういった感性が大事だと思います。合金配合率が異なれば当然箔自体の表情が変わりますし、同じ合金配合率でも微妙に違うことがあります。それぞれに箔のもつ魅力を最大限に活かすために、知識や経験に裏打ちされた確かな技術が必要なのです。」
と語る職人。タダ者ではありません。まさに違いのわかる…です。
前号でお伝えした「平押」。本当にすばらしい「平押」には、技術だけではなく箔の表情をとらえる感性がそこに息づいており、それが自ずと伝わるのだと思います。腑に落ちました。
箔座ブランドのアイテムひとつひとつが、世界に誇る伝統の技と、それを活かす職人の磨かれた技と感性の賜物なのだ、とつくづく思います。
金屏風にはちょっと手が届きませんが、バッグなら、アクセサリーなら。そう、今までの箔座での買い物は、職人技のコレクションのため!
ワタクシに都合のよい言い訳ができました。
箔座オンラインショップ
金沢「箔座」がお届けする「箔品」の数々。美容、アクセサリー、ファッション、食、あぶらとり紙からインテリアまで。箔座が考える“箔のある”ライフスタイルをご提案いたします。