ゴールドコラム & 特集

Vol.7-ロシア帝国を愛した、女帝・エカチェリーナ2世の生涯

■政治と野心に燃えた、凄腕・女帝


ピョートル3世の死後、独身を貫いたが、生涯で100人の愛人がいたと伝えられている。 (C)akg/PPS

ロマノフ朝の8代ロシア皇帝として34年もの長きにわたり君臨したエカチェリーナ2世(1729?1796)。彼女は16歳の若さで、のちの皇帝ピョートル3世と結婚します。しかし、その結婚生活は葛藤の日々でした。夫からの愛を得られなかったエカチェリーナは侍従や仕官と次々に恋に落ちていきました。ロシア皇帝に即位しながらもドイツ贔屓の夫が徐々に権威を失いつつあった時、彼女はついに決断を下して夫を幽閉、33歳にして女帝として即位したのです。


■芸術と文化を愛し、恋に生きた女性


ロシア人民の信頼を得るため、即位の2ヵ月後クレムリンの寺院で盛大な戴冠式を行った。 (C)Granger/PPS

皇帝の座に着いたエカチェリーナは、その後生涯のパートナーともいうべきポチョムキンと17年間もの関係を結びます。10歳年下のハンサムな彼はモスクワ大学を主席で卒業し、軍人として政治家としてエカチェリーナの治世を支えました。エカチェリーナはロシア領土を拡げることに野心を燃やす一方、芸術やダイヤモンドなどの宝飾品、調度類をこよなく愛するという女性らしい一面も併せ持っていました。

 現在のエルミタージュ美術館は、エカチェリーナがドイツから蒐集した美術品のコレクションを展示した建造物がもととなっています。また、彼女はサンクトペテルブルクにボリショイ劇場をつくり、舞台芸術の振興にも努めました。

■「動」と「静」の波乱の生涯

 エカチェリーナは持ち前の敏腕ぶりを発揮して、専制支配体制を確固たるものにしてロシアをヨーロッパ屈指の強国にしました。そんな彼女の日常は、意外にも庶民的で質素だったともいわれています。女帝になってからのエカチェリーナは、夜明けとともに起床。すぐに仕事に向かい、空いている時間は好きな読書に時間を割いて夜10時には就寝するという毎日を送りました。食事も質素で、贅沢な料理や宮廷生活の華美な習慣にも興味を示しませんでした。舞踏会や観劇に出かけても、一定の時間がくると途中でも帰ってしまいました。「帰りが遅いと翌日の仕事に影響する」という理由でした。仕事には、真剣で一途であった彼女の一面が浮かび上がってきます。

 パートナーであったポチョムキンが亡くなった時「これから、私はたった一人でこの国を治めていかなくてはいけない」とエカチェリーナは深く嘆いたといいます。野心と恋、権力と芸術に生きた彼女は、波乱の67歳の生涯を閉じました。


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SGC信州ゴールデンキャッスルは純金製品日本一の在庫量を誇ります。金製品や美術品の販売に加え、金製品に関しては全国有名百貨店を中心に大黄金展を開催。また東京・銀座に金製品の買い取り・販売専門店「銀座SGC」を展開。

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