株式と仮想通貨が高騰し、新興国でのコロナ危機が深刻化する中で、 金投資需要は減少
2021年5月4日ロンドン: 世界最大のオンライン貴金属市場を提供するブリオンボールトの最新のデータによると、欧米の個人投資家においては、4月の金購入への関心が低下し、コロナ危機が始まる以前の低い水準となったことが明らかとなった。
金投資家インデックスは、先月に2.0ポイント低下して55.4となり、パンデミックでヨーロッパや北米の経済・社会活動が停止した直前の2020年2月以来の低い数値となった。
昨年3月には、金投資家インデックスは65.9に急上昇し、2011年9月以来の高水準となっていた。この数値が50.0の場合は購入者と売却者のバランスが完璧に取れていることを示す。
個人投資家のセンチメントを示す金投資家インデックスは、ブリオンボールトにおいて月間で金地金を売却量を上回って購入したネット購入者数と、購入量を上回って売却したネット売却者数のバランスを示す。この世界でも有数な貴金属現物オンライン市場は、175カ国の95,000人以上のユーザーによって使われ、89%のユーザは英国、ユーロ圏、米国、カナダに居住し、ブリオンボールトで37億ドル相当の貴金属を所有、保管している。
このデータについて、ブリオンボールトのリサーチ・ディレクターであるエイドリアン・アッシュは次のように述べている。
「金地金への投資は、経済や金融への不安を反映する傾向があるため、予防接種の増加、経済再開の拡大、株式や仮想通貨に代表されるリスク資産がさらに史上最高値を更新する中で、金への新たな関心が低下したのは驚くべきことでは無い。
個人投資家の金需要は、コロナ危機以前の水準を堅固に上回っている。それは、株式市場が歴史的な好況に沸く一方で、投資リスクを分散する手段として金を保有する人の数は増え続けているからだ。
パンデミックによる経済への悪影響の規模は、現在行われている中央銀行による記録的な金融緩和策や政府による景気刺激策による債務を縮小すること同様に不確かなものとなっている。ブリオンボールトで金地金を所有している人の数は、コロナ危機前の2020年2月と比較して約33%を超えて増加している。」
金投資家インデックスは先月下げていましたが、2019年秋のコロナ危機前のピークを下回る水準に過ぎず、2020年以前の3年間の平均を1.5ポイント上回っていた。
金の重量ベースのネット需要も4月は堅調に推移し、3月の14か月ぶりの低い水準から約5倍の120キログラム以上に達していた。
これにより、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トロント、チューリッヒの地金専門保管所で安全に保管されている顧客の金保有総量は46.7トンと、評価額は26億ドル(2890億円)相当と新記録を達成していた。しかし、4月の流入量は、過去最高だった昨年平均の21.8%に過ぎなかった。
貴金属の新規投資家数も、4月は2020年2月以来の低水準となり、前月比で29.3%減少し、過去最高だった昨年の月平均からは50.8%減っていた。
しかし、これもまた19カ国のユーロ圏での62.1%の成長を筆頭に、2017年から2019年の平均値を57.7%上回っており、コロナ危機以前の平均値よりも堅固なものであった。
そして、金を所有する人の数は、コロナ危機以前の2020年2月の水準を30.4%上回っており、銀を所有する人の数は56.5%増加している。
銀投資家インデックスは、2月のソーシャルメディアのレディットにおける投稿による需要が弱まったため、4月は58.4から54.3へと下げて4ヶ月ぶりの低い水準となっていた。
しかし銀投資家インデックスは、金投資家インデックス同様に、コロナ危機以前の平均値(2017年から2019年にかけて52.6)を上回って推移していた。
また、重量ベースでは銀のネット需要は先月10.7トン増加し、顧客の総保有量は1,193トンで、評価額は9億9,200万ドル(1,080億円)と新記録を達成していた。
プラチナの需要も増加して28kg増と、顧客が保有するプラチナの総量は重量ベースで12月の記録に迫る1.8トンを超えて、評価額7,200万ドル(80億円)となっていた。
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連絡先: ホワイトハウス佐藤敦子
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メールアドレス:atsuko.whitehouse@bullionvault.com
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
この数値の最高値は、欧州の債務危機の最中の2011年9月に金価格がドル建てで最高値を付けていた際の71.1で、それは英国の多くの都市で暴動が起こった翌月でもあった。そして、この数値の最低値は50.5で、金価格が数年ぶりの低い値となっていた2014年から2015年の冬であった。それ以来、金・銀投資家インデックスは金・銀価格との強い負の相関性を保っており、トランプ大統領が選出されて以来21ヶ月中の18ヶ月がこの傾向となっている。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。2005年にサービスを開始し、現時点で9万5千人を超える175カ国の顧客が、低い費用で流動性が高く安全な貴金属専門市場にアクセスできるこのサービスを利用し、37億ドル(4040億円)相当の顧客資産を保管している。
多くの世界の中央銀行の金準備を上回る規模の金地金をブリオンボールトで購入し保管している顧客は89%が北アメリカと西ヨーロッパに居住し、専門市場の取引料率の低さと、流動性の高さ、そして厳重なセキュリティーという恩恵を受けている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
•オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
•米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
•地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
•日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして、2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引 部門で2度目の受賞をしている。また、2011年には英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされ、そのサービスは、2014年11月に、英主要経済誌「Money Week(マネーウィーク)」の購読者によって「最良の金取引業者」に選ばれている。2017年3月には、プラチナ業界のマーケティング団体のワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルによってオンライン・プラチナ地金投資保管のパートナーとして選ばれる。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp