欧米の個人投資家の金需要は増加したものの 中国経済低迷と中東紛争へ懸念の高まりは見られず
2024年2月6日ロンドン - 金地金の史上最高値更新が一服したことで、貴金属の購入を選択する投資家の数が先月増加していたことが、世界でも有数の貴金属現物市場をオンラインで提供するブリオンボールトの新たなデータで明らかとなった。しかし、金は12月の史上最高値に近い水準を維持していることからも、利益確定の売却が2024年も続いている。
世界の10万人を超える顧客の31億ドル相当の金地金を保険をかけて安全に保管しているブリオンボールトでは、1月の金地金の購入者数は前月比19.4%増加した一方で、金地金価格がトロイオンスあたり10ドル弱下落し2053ドルとなったころからも、売却者数は8.2%減少していた。
その結果、金投資家インデックスは1ポイント上昇し52.4となり、8月以来の高水準となっていた。
しかし、ブリオンボールトを利用している投資家全体としては、5ヶ月連続で金地金の購入量を上回る量の売却を行っており、その保有量総額は0.1%減少し46.9トンと、約3年ぶりの低水準となっていた。
ちなみに、ブリオンボールトの顧客の金地金保有量は、2021年4月以来16.8%増加している。
本日のデータについて、ブリオンボールトのリサーチディレクターであるエィドリアン・アッシュは次のように述べている。
「欧米の金市場からの資金流出は、現段階では投資家が中国の金融市場の低迷と中東における紛争激化への懸念をを高めていないことを示している。金価格と金利が上昇し、そして堅調な株式市場は、金地金への新規投資を抑制し続けている。また、既存の金地金所有者は、利益確定の売却を行ってポートフォリオのリバランスを行うことを余儀なくされている。
それに対し中国の貯蓄者と投資家は欧米の投資家とは異なる厳しい経済状況下で、不動産市場暴落という危機に直面している。そして中央銀行もまた、地政学的緊張が高まる中で金を買い続けている。
中国の国内金需要の強さは、中国が金曜日から1週間の旧正月の休暇に入るため、世界の金相場へ影響を与える可能性が高いだろう。歴史的に見れば、欧米の投資家がこの下げ相場で購入をすることは稀ではあるが、マクロ的な背景がこれまでと異なるため、欧米と中国の投資家の役割はすでに入れ替わっている。
2023年は、欧米の投機的な金投資の規模が金価格と同じ方向に動かなかった2014年以来初めての年となった。そして、欧米の金投資が減少する一方で価格が上昇したのは、少なくとも20年ぶりのことであった。また、2023年には、中国の消費者はこれまでの金取引のパターンとは異なり、金価格が史上最高値を更新する中でも金地金を買い増していた。」
ブリオンボールトの1月の新規顧客数は、12月の数値から9.5%増加していた。しかし、それにもかかわらず2023年の月間平均を10.3%下回っており、世界金融危機直前の2007年以降で最も低い数値を記録していた。
一方、銀価格の急落により、銀投資家インデックスは11ヶ月ぶりの高水準となり、11月の史上最低値の46.4から上昇して53.2となっていた。
また、顧客の銀の売却量を上回る購入量からも、総需要もプラスに転じ、1.3%増の1,229トンと、2023年の銀総流出量の5分の2を取り戻していた。
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連絡先: ホワイトハウス佐藤敦子
直通電話番号: +44(0)20 8846 3804
メールアドレス:atsuko.whitehouse@bullionvault.com
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
ブリオンボールトが発表するデータは、他の金銀地金市場のデータを補完し、世界最大の個人投資家へ行ったアンケート等の「意図」ではなく、実際に取引されたデータを基に算出されている。詳しくは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)のAlchemist誌の2013年の記事をご覧ください。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ・パラジウム地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。2005年にサービスを開始し、現段階で10万人を超える個人投資家が41億ドル(6000億円)相当の地金を保管し、専門市場の取引料率の低さと、流動性の高さ、そして厳重なセキュリティーという恩恵を受けている。また、ブリオンボールトのサービスは自己投資型個人年金の英国のSIPPや米国のIRA口座、信託口座、企業やチャリティー団体が現物金地金を保有するためにも使われている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
• オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
• 米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
• 地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
• 日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引 部門で2度目の受賞をしている。また、2011年には英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track 100 (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track 250(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされた4つの企業の1社となった。2017年3月には、プラチナ業界のマーケティング団体のワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルによってオンライン・プラチナ地金投資保管のパートナーとして選ばれる。ブリオンボールトは、2022年5月から10月にかけて大英図書館で開催されている「Gold」展のスポンサーとなっている。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp