[黄金の郷・涌谷] 日本の産金はじまりの地から生まれる「黄金の野菜(ベジゴールド)」
日本における産金はじまりの地・陸奥(みちのく)。令和元年5月20日に、宮城県涌谷町・気仙沼市・南三陸町、岩手県陸前高田市・平泉町の2市3町が提唱する「みちのくGOLD浪漫ー黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる」が文化庁「日本遺産」に認定されました。
▼「みちのくGOLD浪漫―黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる―」が日本遺産に認定
陸奥(みちのく)の中でも産金のルーツとされるのが、宮城県涌谷町(わくやちょう)。奈良時代天平年間、日本で初めて金が発見された場所とされており、産金地に建てられていた古代の仏堂があった場所に、現在は黄金の鳥居が立つ「黄金山神社」が建立、隣には産金の歴史を学び・体験することができる「天平ろまん館」が併設されています。
この地でとれた金は奈良・東大寺の大仏の鍍金(ときん)や平泉・中尊寺金色堂などにも使われ、歌人の大伴家持は万葉集で
天皇の御代栄えんと東なるみちのく山に黄金花咲く
(すめろぎの みよさかえんと あづまなる みちのくやまに くがねはなさく)
と詠み、万葉集最北の地として境内には記念の歌碑も建てられています。
この黄金山神社は天平産金遺跡として国指定の史跡になっています。
お隣の天平ろまん館では「砂金採り」も体験できます。
そして産金はじまりの地「黄金の郷・涌谷」で、最近力を入れているのが『黄金の野菜』づくり。その中でも新たな町の特産品として「金色のニラ」の試験栽培を進めているとのことで、生産業者の「いとうファーム」さんにもお話をお伺いしてきました。
こちらが「金色のニラ」を栽培しているハウス。手前の一列にパイプがあるところが「金色のニラ」で、奥は通常の緑色のニラとなります。
「金色のニラ」の栽培方法は
1.通常のニラを大きく成長させ株に栄養を存分に蓄えます
2.成長ニラをカット、芽の出始めからパイプをかぶせ遮光
3.光合成させず株に蓄えた栄養のみで成長させる
4.収穫は晴れの日に数時間天日干しすることでより鮮やかな黄色に(弱い日差しだと緑に戻る)
となり、通常のニラに比べ、生育方法は難しく、手間もかなりかかります。
こちらが「金色のニラ」。遮光して育てるとこういう色になります。驚き。
通常の緑に比べ、食感がやわらかく、においもそこまで強くないとのこと。
そしてこちらは金色のニラの「花ニラ」。この蕾のついた若い花茎を食べるのがまたなんとも美味しいとのことで、少し頂いたものをその日の宿泊先(金田一温泉・おぼない)の板長にお願いしてさっと湯がいて頂きました。
お味はなんともシャキシャキで甘い!!花ニラ、これはクセになりそうな美味しさです。
そして涌谷町ではこの「金ニラ」だけではなく、「金×食」をコンセプトに様々な黄金野菜をプロデュース中です。
黄金の野菜たちを購入できるのは、わくや産直センター「黄金の郷」。
この日はズッキーニとカリフラワーがありました。まだまだ、いろんな金色の野菜を今後も追加していきたいとのことで今後にも注目です。
こちらは人気の炊き上げると金色に輝く玄米食専用品種「金のいぶき」。通常の玄米に比べ胚芽は3倍、栄養素もビタミンEをはじめとして豊富に含まれています。私も普段食べています。
そして新商品の甘こうじ「くがね甘露」。玄米食専用品種「金のいぶき」の流通規格外のコメを有効利用するために開発されたもので、玄米の栄養価をそのままで甘みがあるのが特徴とのこと。
こちらは「埋蔵金アイスー黄金花咲く伝説」で、土に見立てたチョコレートスポンジケーキ入りの濃厚なチョコレートケーキの中に、金箔をまとったアラザン(砂糖菓子)が入っています。スプーンをスコップに見立て埋蔵金を掘り当てる楽しさも味わえるかも!?
また宮城県といえば、Jリーグサッカーチーム「ベガルタ仙台」。クラブのメインカラー「ベガルタ・ゴールド」は、宮城県が日本の産金はじまりの地であることからこの色になっています。
黄金だるまの「必勝!べガルタ仙台」は天平ろまん館に、こちらの「水曜どうでしょう DODESYO CARAVAN」のは湧谷町役場に置かれています。
ちなみに最寄りの新幹線駅である「古川駅」構内には、黄金アートと顔出し黄金ポストパネルが。
黄金ポスト(本物)は駅の目の前にあります。知る限り黄金ポストは名古屋・栄の「開運ポスト宗春」、栃木・合戦場郵便局「金のポスト」とここの3箇所のみだと思います。
最後に宮城県・涌谷町へのアクセスを。東京からだと新幹線の最寄り駅は古川駅。古川駅から涌谷町の中心部まで車で約30分位となります。平泉・中尊寺金色堂をふくめて黄金の郷・涌谷など、まさに「みちのくGOLD浪漫」な歴史と食を巡る旅に出てみてはいかがでしょうか。