ゴールドコラム & 特集

Vol.15-言うは易く、行うは楽し!続編

前号で金箔をはることのおもしろさをお伝えしましたところ、思いのほか社内でのウケがよくすっかり気をよくしております。(ま、褒めざるを得ない雰囲気にもっていったんだけどね…)

作品を見ては「んー カワイイわあ…私、天才かも」とつぶやくおめでたいワタクシの前に、ある日同僚K(女子)がやってきました。
「私も金箔をはりたいものがあるんですけど」
おおっ 来たね! で、何にはりたいの?
「ガンダムのプラモデルに金箔をはって、スペシャルプラモにしたいんです!」
ガ、ガンプラ!? 金箔よりアナタに興味津々です、ワタクシ。

まずは作業のプラン確認。前号でもサポートをお願いした箔マスターの同僚Mに加え、プラモデル好きと噂の同僚Fにも相談。
「パーツをすべて切り離して縁の処理なんかをしてしまってから、作業がしやすいようにひとつずつ裏側に両面テープ貼って、そこに割り箸の先をつけて、発砲スチロールなんかに突き立てて、あれしてこれして…」さすがは箔はりプロ! しかし、その本格的なプロセスに気が遠くなる私たち。
Fが提案するパーフェクトな仕上がりを目指したいところですが、Kは箔はりもプラモデルも実はほぼビギナー。Kとワタクシは、完成度より楽しさと見栄えが命!が信条なのであります。
話し合いの結果、プラモデルファンにすれば邪道やも知れぬ我流のプロセスでいくことに。


箔をはらない部分にマスキングテープをはってから接着剤を塗ります。パーツを切り離す前だから作業もラクラク。薄く均一に、塗り残しがないように気をつけてぬりぬり。


あらかじめ金箔を小さく切っておくのがポイント。無駄なく使えて経済的、箔はり作業もラク。上から綿や筆でやさしく押さえて、凸凹にもちゃんと箔がつくように。


接着剤は「Zブラック」を使用。専用のうすめ液でうすめ、筆でていねいに塗り残しのないように塗っていきます。
金箔は、はるパーツよりやや大きめにカットしておきます。これがコツ。「箔をはるだけでも楽しい!」と、喜々として次々と箔をはっていくK。
しばらく放置した後、綿で押さえてから筆を使って余分な箔を払います。
「これはちょっとめんどうくさい…」 Kよ、これは必要なプロセスなのだよ…
さて、これで箔はりは完了。しっかり乾燥させてからパーツを切り離して組み立てです。
組み立ての際にキズやはがれが生じる恐れがあるため、本当はコーティングをしてしまいたいところ。しかし、そこは私たちのことですから、箔のはり残しなどアヤシイ部分がいろいろ出てくるはず。いずれにしても修正が必要。でも、コーティングをしてからの修正はその部分が変に目立ってしまいます。それだけは絶対に許せませぬ!ならば、組み立ててから修正をし、最後に全体をコーティングしましょうかね。


組み立てが終わって全体チェック。幸いベースが黄色なのでさほど目立ちませんが、案の定、箔がついていない部分アリ。接続部分や凸凹面にありがち。再び接着剤をぬって箔はり。


全体にスプレータイプのコーティングをかけて乾燥。ついにK念願の「シャア=アズナブル専用"Zガンダム100式" ゴールドバージョン」の完成です。


完成したゴールドのガンプラを、社内で得意げに見せびらかすK。私も一緒になって自慢。
すると「いいなー」「私もやりたーい」 と盛り上がり、社内に一大ムーブメントが!
なんと、「箔座 いろいろやり隊」が結成されたのであります。
「やっぱ、作品は見せびらかさんと!」 
だよね? さっそく発表の場をゲットすべく会社に直談判! こういう時は行動が早いのね…
というわけでめでたく「ハク★コレ」のページが誕生。
あ、隊長はもちろんワタクシです。今後もどうぞよろしくお願いいたします。


*金箔の扱い方やカットの仕方などについてはコチラ
*使用した接着剤 「Zブラック」
*使用したコーティング剤 「金箔保護剤・ザボンエナメル」
*金箔は 金箔立切・四号色を使用しました
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プロフィール

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HAKUZA

世界に誇る伝統の技を残し、世界遺産となった中尊寺金色堂など重要文化財の金箔を手がける。2002年、「純金プラチナ箔」(特許取得)を開発。箔本来の力と美しさを「箔品」として表現し、「箔座本店」をはじめとする石川県金沢市の直営店のほか、東京日本橋で旗艦店「箔座日本橋」を展開。

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