JM Report速報
Johnson Matthey社の「Platinum 2013 Interim Review」が本日11月12日全世界同時発表の予定なのですが、何故だか昨日11月11日には「プラチナ」に関する内容の要約がもはや出回っていました。誰かがチョンボしてリークしたのでしょうか。その内容を紹介しましょう。パラジウムに関しては来週に再度正式版をまとめた形で書きたいと思います。プラチナは供給不足が続き、今度も供給が大きく増加することは難しく、一方需要は自動車触媒、産業用需要、投資需要の増加から、伸びることが予想され、2012年から始まった供給不足は2014年もまた続く見込みが強いとのことです。やはりこのファンダメンタルを考えるとプラチナは落ちる場面(1400ドル近辺から割れたところ)があれば拾っておくのが個人投資家としては正解でしょうね。
「Platinum」
「2013年のプラチナ需給」
■2013年の前半は供給不足より大きくなったとのこと。需要の強い伸びが、供給の小さな伸びを大きく上回ったため。
■2013年のプラチナ需要は約19トン、鉱山生産と二次供給を上回る見込みで、工業需要と投資需要が自動車と宝飾需要の落ち込みを上回ったため。
■2012年の供給不足は10.6トンであり、2014年も供給不足が予想され3年連続になる可能性が高い。
■現在から2014年4月までのプラチナの取引レンジ予想は1360-1580ドル。現時点での価格は1430ドル前後であり、前回5月のJM Report時点での1490ドルから60ドルの下落。
■2013年の供給は全体で1.6%増加し、178.5トンとなる見通し。増加はほとんどジンバブエの生産増によるもの。ジンバブエは12.4トンの生産となり、北米を上回り世界第二位のプラチナ生産地区となる。
■プラチナのリサイクルからの供給は若干の増加で約64.7トン。需要の合計は4.9%増加して約262トン。
■自動車触媒需要は2%減少して97.4トン。これはディーゼルカーの世界の二大需要地である欧州とインドでの不調が原因。宝飾需要は1.4%減少の85.2トン。
■しかし自動車触媒と宝飾需要の不調は産業用需要が11.5%伸び55.7トンとなったことと投資分野の伸びで相殺される。
■供給サイドでは、2013年南アの生産は1%以下の微量の増加で128トンとなると予想。ストライキなどの一時的な要因での供給減は年前半でやく3.1トン。もし年末にストライキがあれば、南アの生産増分は簡単に吹き飛んでしまうであろう。
「2014年の見通し」
■2014年のプラチナ供給は大きく増加しそうにない。ジンバブエだけが増産する見込みだが、おそらくジンバブエの増産はこれが最後。鉱山の現地化への不安と安全の確保を考えたとき、海外の鉱山会社はこれ以上の投資をためらうであろうから。
■AmplatsのRustenburg 鉱山の7.8トンの生産能力減少の影響は2014年に出てくるだろう。このためもしこれ以上のストライキなどの混乱がないとしてもプラチナ生産が増加に転じることはまずない情況である。
■しかし需要サイドは増加が見込まれる。ヨーロッパの経済回復が続けば、新車登録台数は3年ぶりに増加となり自動車触媒の需要も増加することが期待される。2014年9月からのさらに厳しい乗用車への排ガス規制が施行されれば、もっと触媒の需要にもっと大きな影響がある可能性がある。
■また宝飾分野のプラチナ需要も史上最高になる可能性がある。
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