SBMA Asia Pacific Precious Metals Conference
6月4日~7日でシンガポールに行ってきました。
http://www.asiapacificpmc.com/programme.html
に出席するためです。このコンファレンスの主催はSingapore Bullion Market Associationで、この団体は平たく言うとシンガポールの貴金属トレーディングに従事している会社の協会で、ロンドンにあるLondon Bullion Market Associationにならって設立されたものです。ちょうど2012年にシンガポールではゴールドがGST(Goods and Services Tax :日本の消費税に当たるもの)の適用範囲外となったことがきっかけでした。世界の貴金属取引の規範を作っているのはロンドンですが、アジアではアジア独自のカラーがあり、それをもっと自分たちで発展させていこうという趣旨のもと、特にゴールドの現物需要が強い東南アジアのマーケットを発展させるべく活動をしています。
そんなSBMAの初めての国際的コンファレンスが今回の「Asia Pacific Precious Metals Conference」でした。
参加者は約350名で、初めての試みとしては非常に多くの参加者でした。その多くがシンガポール、香港、そして東南アジアの国々からの参加者で、日本からの参加者は4~5名でした。ちょっと残念な感じですが、このコンファレンスはLBMAのゴールドコンファレンスよりも日本人にとってはより価値が高いのではないかと感じました。シンガポールを中心にタイ、マレーシア、インドネシア、ラオス、ベトナム、ミャンマーなどなかなか日本にいても交流のないマーケットに関する情報を直接現地の人々から聞くことができる貴重な機会であるからです。これから毎年行い、来年の日取りも6月3日~5日ということで決まりました。ぜひ来年は日本からも多くの人が参加してくれればいいなと思います。
プログラムは以下の通り。特に興味深かったセッションは、東南アジアのシンガポール、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナム、インドネシア、マレーシア、タイの各国のマーケットの代表が自国のマーケットに関して語ったセッション。
そして、2日目のNew Opportunityとしてのイスラム世界でのゴールドへの投資、そして今話題のフィンテックとゴールドの絡みも興味深いものでした。特にフィンテックにもう既にゴールドが取り込まれているのを知り、ゴールドの世界も従来の伝統的なビジネスの見方だけでは理解できない部分が急速に発展してきているのを肌で感じました。この分野はこれからどんどん伸びていって、ゴールドにとっても新たな地平になること間違いないでしょう。従来のビジネスと全く違う新たな地平が広がっています。
最後のセッションで僕も登壇してPGMのマーケットに関する見方をちょっとしゃべりました。ただ東南アジアではPGMの需要は少なく、ゴールドやシルバーのついでという感じではありましたが。
各セッションのプレゼンPDFは上記のウェブサイトからPDFをダウンロードして見ることができます。興味があるものがあればぜひ見てください。