第4回:オリンピックメダル:国別のメダル数とその実際の価値
リオ・オリンピックが8月5日に開幕します。ここでは、過去の夏季オリンピックでそれぞれの国が獲得した金・銀・銅メダルの総数と、その価値を現在の貴金属価格で算出しています。
来週始まるリオ・オリンピックにおけるそれぞれの国の健闘を祈る中、今回のブリオンボールトのインフォグラフィックスでは、近代オリンピックが始まって以来、それぞれの国が獲得した過去の金・銀・銅メダルの数と、その価値を、メダルに含まれる貴金属の構成比率から算出してみました。
近代オリンピックにおける夏季オリンピックのメダル獲得数ではアメリカ合衆国が2403個とトップを走っています。そして、2位のソビエト連邦時代からのメダル数を含むロシアの獲得したメダル数を1000個近く引き離しています。
今回は、それぞれの国のメダル獲得数に加えて、夏季オリンピックのメダルの価値についても詳しく調べてみました。
メダルの価値を算出するためには、獲得メダル総数にその重量を掛けて、現在の価格で算出するという単純なものではありませんでした。
それは、例えば2016年リオ・オリンピックのメダルは、近代オリンピックにおいては、最も大きいサイズのものとなりますが、その大きさは、直径8.5センチメートルで、厚みは端が6ミリメートルで中心に向かって暑さが増し11ミリメートルとなります。このサイズのメダルを金で作った場合は、その重量は約1キログラムとなり、価値は39,812ドル(約4,225,247円)となります。
しかし、リオ・オリンピックで授与される金メダルは、銀(91.4%)、銅(7.4%)、金(1.2%:約6グラム)となります。この価値を、現在の専門市場で取引されている価格で算出すると、約546ドル(57,946円相当)となります。
このように、純金の金メダルというのはとても稀なもので、近代オリンピックの27回の夏季オリンピックでは、2度のみしか授与されていないのです。
初の近代オリンピックである1896年のアテネオリンピックにおいては、金のメダルではなく、純銀のメダル(とオリーブの冠)が優勝者に与えられ、準優勝者には銅を主原料とした銅メダルが授与されました。
次のオリンピックの1900年のパリにおいては、優勝者には金箔で覆われた銀のメダルを贈ることが始まりました。そして、次の2つのオリンピックである1904年のセントルイスと1908年のロンドンのみで、純金の金メダルが優勝者に与えられたのでした。
それ以来、金メダルの主原料は銀であり何重かの金箔で覆われています。また、銀メダルには強度を高めるために少量の銅が使われています。このオリンピックメダルに使われる原料の割合、そしてその大きさと形は、年を重ねるごとに変化をしています。
典型的には円形ですが、1900年のパリ・オリンピックでは長方形で、1912年のストックホルム・オリンピックのメダルは楕円形でした。最も薄いメダルは1956年のオリンピック(この夏季オリンピックはメルボルンで行われ、ストックホルムでは乗馬競技のみが行われました。)で与えられた2.5ミリメートルの厚さのものでした。それに対し、最も厚いメダルは、1992年のバルセロナオリンピックの1センチメートルとなります。
ロンドン・オリンピックでは、現在に至るまでの最も大きなメダル(2012年の8.5センチメートル)と最も小さなメダル(1908年の3.5センチメートル)が授与されています。そして、1908年のロンドン・オリンピックにおいては、近代オリンピックで2度のみ授与された、金を主原料とするメダルが優勝者に与えられています。これは、重量72グラム(2.3トロイオンス)で、この価値は現在の価格で2,947ドル(約312,765円)となります。
2012年のロンドンオリンピックのメダルは、英国王立王立造幣局で鋳造され、その重量412グラムと、今回のリオ・オリンピックを除き、最も重い夏季オリンピックのメダルと記録されています。
2016年のリオ・オリンピックのメダルは、500グラムとロンドンオリンピックのメダルより重いものとなります。しかし、価値としては2012年のロンドンオリンピックのメダルが近年においては最も高いものとなります。それは、2012年の段階で、金と銀の価値が上昇していたために、当時の価値で651ドル(約69,090円)であったためです。
120年前に近代オリンピックが始まって以来の27回の夏季オリンピックのメダルの貴金属の構成比率などの正確なデータは存在していません。そのため、ブリオンボールトの下記のインフォグラフィックスは、純金のメダルが与えられたと分かっている1904年と1908年を除き、2012年のロンドンオリンピックの金・銀・銅メダルの貴金属の構成比率を利用して算出しています。
算出に使われた、それぞれのメダルの貴金属の構成比率は下記のようになります。
金メダル: 1.34%金、92.5%銀、6.16%銅
銀メダル: 92.5%銀、7.5%銅
銅メダル: 97%銅、2.5%亜鉛、0.5%錫
先のようにメダルの原料として、金よりも銀が多く使われていますが、近代オリンピックで授与されたメダル全ての評価額は、現在の価格で2,488,801ドル(約2億6413万6450円)となります。同様にアメリカ合衆国のメダルの価値を計算すると、620,588ドル(約6586万3004円)、そして、メダル獲得数11位の日本がこれまで獲得したメダルの価値は、55,101ドル(約584万7869円)となります。
それでは、下記のインフォグラフィックスで、メダル獲得数がトップ50位までの国々のそれぞれのメダルの総数とその価値をご覧ください。