NIMS一般公開2017、オリジナル都市鉱山メダル公開!
物質・材料研究機構(National Institute for Materials Science、通称:NIMS)は、2017年4月23日(日)に 一般の方々に最先端研究の現場をご覧いただく場として「NIMS一般公開2017」を開催。本年は茨城・つくば市の千現・並木・桜の三地区での公開となりました。
▼国立研究開発法人物質・材料研究機構:NIMS一般公開
超伝導、超鉄鋼、超耐熱、超強力磁石…
驚異の性能を持つ材料たち。
超精密、超高圧、超長時間でおこなう究極の実験。
その数、過去最大級の71施設!
あわせて、日本刀と最新鉄鋼技術の意外な共通点、AI(人工知能)にまつわる特別講演、毎年大人気のものづくり体験プログラム。さらには、YouTubeで人気沸騰中の科学映像で使った実物装置の特別展やど迫力の見学ツアーなど、ますますパワーアップした企画ばかりです。
入場・体験ともに無料。お土産がもらえるプログラムもあります。
いざ!あなたの想像を超える材料研究の世界へ潜入!!
本年度はNIMS3地区71件のラボが一挙公開、また刀、金メダル、AIほか、多彩なテーマでの講演、そして実験工房・体験や世界の屋台村などもあり、どの場所も家族連れなど多数の来場者で賑わっていました。
講演のひとつ、「あなたの家電を金メダルに!~東京五輪”都市鉱山メダル”実現までの道とその狙い~」では、都市鉱山利用の提唱者として知られる同機構の原田幸明氏が、2020年東京五輪のメダルが携帯などから回収した金属でつくることが正式決定となったその実現までの道と意義について語られました。
会場ではNIMSでいち早く作製したオリジナル都市鉱山メダルも初公開。こちらの金メダルは、職員などから集めたガラケー、デジカメなど計330台から、約8グラムの金を取り出し、3D プリンタを活用して鋳型を作成、銀をプラズマ放電焼結で成形し、金メッキを施しました。
こちらがNIMS都市鉱山メダル。直径6センチで、スカイツリー、桜、筑波山がデザインされ、最上部には「Urban mine goes beyond 2020」とオリンピック後の展開も見据えたメッセージが書かれています。
講演会場外では特別展示として「破解機による携帯電話リサイクル」といった体感コーナーがあり、持ち寄ったガラケーなどを目の前で「破解」(破壊ではありません)し、電子基板など取り出せる形に分解することもでき、子供たちは分解されたケータイの内部にとても興味津々でした。
こちらが「破解機」。有限会社押鐘さんのHO=300シリーズで、互いに逆回転する斜めの円盤の中の爪が、上部から入れられた携帯電話などを「破解」し、下の受け皿に落とします。
こちらが取り出された基盤。 携帯電話には一台平均0.03グラムの金が含まれています。ちなみに東京2020オリンピック・パラリンピックでは、合計約500 個のメダル作成に必要な金属量は、金約10kg、銀約1230kg、銅736kgの計約2tが必要になるとされています。
講演の最後、原田先生からは「2020へ そして その先へ」として
◎天然資源の大量摂取による環境・生物多様性破壊の防止
◎廃電子電気機器の不適正処理によるE-wasteの防止
◎リサイクルを通じた地域の産業活性化、多様な雇用の創出
を目指し、国民みんなで都市鉱山メダルを定着させる行動、意識改革を進めていきたいとお話されていました。
なお、2017年6月24日に東京・よみうり大手町ホールで開催する「ゴールドフェスタ2017」では、「みんなのリサイクルで金メダル!都市鉱山発掘の意義」とした原田先生による講演が行われ、展示会場では「破解機」体験も予定しております。ご興味ある方はぜひ以下公式サイトからお申し込みください。
▼金の祭典「ゴールドフェスタ2017」公式WEBサイト
- 撮影者:GOLDNEWS
- 場所:茨城・つくば市 物質・材料研究機構(NIMS)