秀吉の時代の大判から法馬金まで―造幣局・造幣博物館
私達が普段使うお金の硬貨や、勲章・褒章などの製造、貴金属製品の品位証明(ホールマーク)などを行っている造幣局の本局が大阪にあります(支局は東京と広島の2箇所)。その造幣局の構内に造幣博物館(Mint Museum)はあり、ここでは貴重な大判・小判などの古銭をはじめ、造幣局創業当時の資料の数々、国内外の貨幣からオリンピック入賞メダルまで約4000点が一同に展示されています。
法馬金(分銅金)
法馬金は分銅の形をしており、豊臣秀吉が最初に鋳造し、徳川幕府においても造られました。
大判1000枚で作られた千枚分銅金(約165kg)、大判2000枚で作られた二千枚分銅金(約330kg)の「大法馬金」と、重さ375gの「小法馬金」とがあります。
この「大法馬金」には「行軍守城用勿用尋常費」(戦費以外に用いるな、という意味)」の文字が鋳込まれ、あくまでも非常用・軍事用に備蓄されたもので、展示の「大法馬金」は、徳川時代の鋳造の拓本記録を、また、「小法馬金」は現存のものを基にした模造品です。
造幣局本局は大阪市北区天満にあり、大阪では桜の名所としてもとても有名です。こちらが造幣局の正門。
造幣博物館へは、北門(正門東側)から入ります。受付で名前を書いて少し奥に歩いていきます。
こちらが造幣博物館の建物。明治44年(1911年)に火力発電所として建てられた建物となり、造幣局構内に残る唯一の明治時代のレンガ造りの西洋風建物です。
造幣博物館の入場は無料、開館時間は朝9時から16時45分(最終入館は16時まで)となります。午前中の早い時間は空いていてゆっくり見れますのでおすすめです。ここからは博物館内を写真で紹介していきます。
1Fで受付をすませ、2階展示室へ。
2Fでは創業当時使われていたガス燈、天秤など局内で製作したものをはじめ、見本貨幣・極印、お雇い外国人に関する資料及び当時日本で最初に使われた、ヘボン式和英辞典などが展示しています。
こちらは模型と照明が連動した映像による造幣局の歴史・造幣事業の紹介をみることができます。なかなか精巧なミニチュアです。
こちらは実際の貨幣(500円玉)の製造工程をパネルと現物を見せながら説明しています。
こちらは体感コーナーとなっており、千両箱や貨幣袋の重さを体験したり、本物の金塊・銀塊に触れたり、パズルなんかもあります。
そうそう、特大五百円玉と寛永通宝との記念撮影コーナーもあります。
階段を上がり3Fへ。こちらのフロアでは古代に作られた中国貨幣をはじめとし、現在流通している貨幣・記念貨幣や世界各国のさまざまな貨幣を展示しています。
展示品を表裏両面から美しく見ることができる様に、ガラスにはめ込んだ貨幣を発光ダイオード(LED)で照らす立体展示となっており、とても見やすくなっています。
左側は世界最大級の金貨と言われている「天正長大判」、右側は現存数がわずか5-6枚と言われている希少品の「天正菱大判」です。
各種大判・小判の展示からその見方まで詳しい説明展示があります。
こちらは文政小判金を作っている工程の一部を再現したミニチュアです。
他にも現在流通している貨幣・記念貨幣や世界各国のさまざまな貨幣が展示されています。こちらはツタンカーメン展覧会記念のコイン。
そして、本年平成27年(2015)年は、1615年に大阪城が落城してから400年になることから、2015年8月1日から8月31日までの夏の特別展示は「秀吉の時代の貨幣」をテーマに秀吉にまつわるものを展示しています。
▼造幣博物館特別展「秀吉の時代の大判などを見に行こう!!」開催
<開催期間中のイベントのご紹介>
【1】展示品解説(土曜日及び日曜日)
秀吉ゆかりの大判や竹流金などの展示解説を行います。
【2】古文書解読(1日(土曜日)、2日(日曜日)、8日(土曜日)及び9日(日曜日))
秀吉の古文書(掲載本)を見て、古文書の解読にチャレンジしよう。
【3】拓本作り体験(15日(土曜日)、16日(日曜日))
江戸時代の文久永宝や寛永通宝の拓本作りを体験しよう。
【4】鋳造体験(有料)(22日(土曜日)、23日(日曜日)、29日(土曜日)及び30日(日曜日))
昔のお金、富本銭や和同開珎を作ってみよう。
【5】クイズラリー(土曜日及び日曜日)
クイズラリーに挑戦しよう。
とても身近なお金という存在について、子供から大人まで楽しんで学べる博物館となっています!
またこちらは造幣局内売店で販売されている人気の「造幣せんべい」。神戸亀井堂総本店が製造しせんべい両面に1円から500円硬貨の図案が焼かれています。ぜひ博物館見学のおみやげにどうぞ!
- 撮影者:GOLDNEWS
- 場所:大阪 造幣局・造幣博物館