金への投資意欲がさらに後退、金利の先行き不透明感が価格を圧迫
2026年8月4日 ロンドン ― 世界有数のオンライン貴金属取引市場を運営するブリオンボールトが本日公表した最新データによると、金投資家のセンチメントは数年来の高水準からさらに後退した。金利の先行きに対する不透明感が、引き続き貴金属価格の重しとなっている。
2009年以降の金の買い手と売り手のバランスを示す「金投資家インデックス」は、7月に8か月ぶりの低水準へ低下した。これは、金価格が2013年春の急落以来最大の下落を経て落ち着きを取り戻したことを反映している。
ブリオンボールトのリサーチダイレクターのエイドリアン・アッシュは次のように述べている。
「金は一般的に不確実性を好む資産である。しかし、金利の先行きに関する不確実性は嫌う。現在の米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の政策運営を巡る混乱は、金市場にとって好ましい状況ではない。」
「2010年代半ばの金価格急落と弱気相場が参考になるのであれば、金融引き締めへの警告が実際の政策として実施されるまで、金価格は底を打たない可能性がある。ただし、現在は当時よりも地政学的リスクがはるかに高く、各国中央銀行による金購入も価格下落局面で市場を明確に下支えしている。」
現在、ブリオンボールトは175か国・13万人超の利用者から預かる78億ユーロ超相当の貴金属を安全に保管している。
7月に金を購入した個人投資家数は前月比25.8%減少し、昨年8月以来の低水準となった。
一方、金を売却した投資家数も22.7%減少し、こちらも11か月ぶりの低水準となった。その結果、金投資家インデックスは前月から1.9ポイント低下して54.9となり、昨年11月以来の低水準となった。長期平均の54.8をわずかに上回る水準である。
金投資家インデックスは、月間の買い手数と売り手数が一致した場合に50.0となる指標であり、今年3月にはパンデミック後の最高水準となる60.7を記録していた。
アッシュはさらに次のように述べた。
「現在の金利を巡る不透明感に加え、金価格は例年、年央に軟調となる傾向がある。この数か月の急落と高いボラティリティを経て、長期投資家にとっても、貴金属トレーダーにとっても、夏場の落ち着いた相場展開は歓迎すべきものとなるだろう。」
米ドル建ての金価格は、7月末時点でトロイオンスあたり4,026ドルとなり、6月末から横ばいで推移した。一方、2月に記録した過去最高値からは22.9%下落し、月末価格としては昨年10月以来の低水準となった。
それでも、金価格が3か月以上連続で下落したことは2022年10月以降なく、2000年半ばに始まった歴史的な12年間の強気相場以降では最も長い連続下落期間となっている。
一方、新規の貴金属投資への関心も7月に再び大きく後退した。ブリオンボールトの新規口座開設数は世界全体で前月比30.4%減少し、2025年1月以来の低水準となった。ただし、それでもブリオンボールトが20年間事業を展開してきた中で、7月としては5番目に多い口座開設件数となっている。
重量ベースでは、ブリオンボールト利用者全体で7月は購入量を75キログラム上回る金を売却した。この結果、利用者が保有する金の総量は前月比0.2%減少し、43.5トンと3か月ぶりの低水準となった。
一方、銀市場では、7月の投資家による購入量と売却量がほぼ一致したため、ブリオンボールト利用者の銀保有量は6月末時点の3か月ぶり高水準である1,133トンから変化がなかった。
ただし、買い手数と売り手数のバランスは悪化し、「銀投資家インデックス」は53.7へ低下した。前月から3.7ポイント低下し、6月に記録した3か月ぶり高水準から後退した。6月には、工業用途の比重が高い銀価格が2011年9月以来最大となる22.4%の下落を記録していた。
銀価格は7月にさらに1.8%下落し、トロイオンスあたり58ドルを下回り、米ドル建てでは昨年11月以来の低水準で月を終えた。
以上
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回った買い越した投資家の数と売却が購入を上回った売り越した投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
金投資家インデックスは、新型コロナウイルスが世界的に広がった2020年3月に65.9と10年間の最高値を記録し、2024年3月には47.5と記録的な低水準に下げていた。
ブリオンボールトが発表するデータは、他の金銀地金市場のデータを補完し、世界最大の個人投資家へ行ったアンケート等の「意図」ではなく、実際に取引されたデータを基に算出されている。詳しくは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)のAlchemist誌の2013年の記事を参照
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ・パラジウム地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。今年4月で20年を迎える専門市場の低コストと深い流動性とセキュリティを提供するサービスを利用して、現段階で175か国からの13万人を超える個人投資家が78億ドル(約58億ポンド、68億ユーロ、12兆円)相当の地金を保管している。また、ブリオンボールトのサービスは自己投資型個人年金の英国のSIPPや米国のIRA口座、信託口座、企業やチャリティー団体が現物金地金を保有するためにも使われている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
• オンラインとモバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
• 米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
• 地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
• 日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するデイリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年から専門業界団体であるロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員であり、2017年には、鉱業業界が支援するワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルのオンライン保管金銀地金パートナーに選ばれる。BBC、Handelsblatt、Bloomberg、日経ビジネスなど、英国内外の主要メディアで定期的に引用されているブリオンボールトは、2022年に3度目の英国企業女王賞を受賞している。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp






