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金投資への熱狂が後退、投資家心理は14年ぶりの急低下

2026年5月7日 ロンドン ― 現物金への投資家心理は4月、パンデミック後の高水準から低下し、ブリオンボールトの「金投資家インデックス」において、世界金融危機終結以来で最大の下げ幅を記録した。

このブリオンボールト独自の指標は、世界有数のオンライン貴金属取引市場における金の買い手と売り手の数を比較することで、個人投資家の投資行動を測定するものである。同市場は現在13万人以上に利用されており、顧客資産として92億ドル相当の金・銀・プラチナ・パラジウムを安全に保管している。

3月にはイラン戦争の勃発と地金価格の急落を背景に、同インデックスは2020年の新型コロナウイルスによるロックダウン以来の高水準に達した。しかしその後、年初の急騰で史上最高値を更新した金価格の下落ペースが鈍化する中、4月には2012年1月以来で最も速いペースで低下した。
ブリオンボールトのリサーチ・ディレクターであるエイドリアン・アッシュは次のように述べている。

「金市場の熱狂はついに落ち着きを見せ始めている。投資家心理は依然として長期平均を上回っているものの、その低下スピードは、世界金融危機が収束に向かい始めた14年前以来で最も速い。」

また、アッシュは次のように続けている。

「現物貴金属への新規投資家数は、3月から4月にかけて半減した。一方で、既存保有者による利益確定の規模も同様に減少している。結果として、個人投資家は価格下落局面でも金の買いを継続しているが、年初に見られた歴史的な活況のような勢いはなく落ち着いている。」



3月に金価格の急落を受けてブリオンボールトでは過去最多の買い手数を記録した後、金投資家インデックスは4月に55.1へ低下し、前年11月以来の低水準となった。これは、3月の67カ月ぶりの高水準から5.6ポイントの下落である。

4月の水準は、同インデックスの過去5年平均(54.2)をわずかに上回っているものの、下落幅は2013年5月と同水準となり、2012年1月の11. 0ポイント下落以来で最大の落ち込みとなった。当時は、不動産価格が金融危機から回復に向かい、経済成長や世界の株式市場とともに持ち直していた時期である。

2009年に集計を開始した同インデックスは、50.0を上回る場合、買い手が売り手を上回っていることを示す。2026年3月には60. 7と2020年8月以来の高水準を記録した。一方で、2024年3月には47.5の過去最低、2011年9月には71.7の過去最高を記録している。

アッシュはさらに次のように述べている。

「2010年代初頭の金ブームが終息した際、金融危機のピークで購入した投資家の多くは、その後約10年間にわたり含み損を抱える結果となった。」

「現在、金価格は横ばい、あるいは下落局面に入りつつあり、市場は再び落ち着きを取り戻している。ただし今回異なるのは、金の長期的な強気トレンドを支える要因が依然として存在している点である。」

「中央銀行は、信頼や政治的同盟関係の揺らぎを背景に、引き続き金準備を積み増している。政府債務の増大、通貨価値の低下、投資リスク分散の必要性は、トランプ政権による貿易摩擦の再燃とイラン紛争によるエネルギー価格の上昇が重なる中で、さらに強まっている。」

ブリオンボールトの新規登録ユーザー数は4月、前月比45.9%減と大きく減少し、昨年8月以来の低水準となったが、それでも過去5年間の月平均を37.8%上回っている。

金の総取引額も3月から大幅に減少し、ドル建てで52.2%減の1億8800万ドルとなり、1月に記録した過去最高水準の6分の1まで縮小した。

既存の金保有者による利益確定の規模も前月比52.7%減と半減したことで、純需要は2カ月連続でプラスを維持した。その結果、ブリオンボールトのユーザーが保有する金の総量は0.2%増加し、11月以来の高水準となる43.5トン(約64億ドル相当)に達した。



一方、銀の純需要は重量ベースで1月以来初めてマイナスとなり、総保有量は0.5%減少して1128トン(約26億ドル相当)と、3カ月ぶりの低水準となった。

銀における買い手と売り手のバランスは、2020年4月以来の速さで悪化した。当時は、新型コロナウイルスによるコモディティ市場の急落後、産業用途の大きい銀が数年来の安値から反発していた局面である。4月は銀投資家インデックスが8.0ポイント低下して52.1となり、60.0を4カ月連続で上回る記録が途切れた。

アッシュは次のように述べている。

「今回の貴金属投資における熱狂は非常に大きなものであった。過去6カ月間にブリオンボールトへ参加した新規投資家数は、弊社の20年の歴史におけるいかなる年間合計をも上回り、6年前のコロナ危機や2011年の金融危機時をも超えている。」

「このような状況が短期的に再現される可能性は低いと考えられる。しかし、2020年代における継続的な不確実性は依然として続いており、これまでのところイラン紛争は原油価格の上昇を通じて金銀市場の強気見通しを抑制しているものの、長期的にはこうした不透明要因が貴金属価格と投資需要を下支えする可能性がある。」

連絡先: ホワイトハウス佐藤敦子 
直通電話番号: +44(0)20 8846 3804  
メールアドレス:atsuko.whitehouse@bullionvault.com


ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
金投資家インデックスは、新型コロナウィルスが世界的に広がった2020年3月に65.9と10年間の最高値を記録し、2024年3月には47.5と記録的な低水準に下げていた。
ブリオンボールトが発表するデータは、他の金銀地金市場のデータを補完し、世界最大の個人投資家へ行ったアンケート等の「意図」ではなく、実際に取引されたデータを基に算出されている。詳しくは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)のAlchemist誌の2013年の記事を参照。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ・パラジウム地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。今年4月で20年を迎える専門市場の低コストと深い流動性とセキュリティーを提供するサービスを利用して、現段階で175か国からの130,000人を超える個人投資家が920億ドル(68億ポンド、79億ユーロ、1.4兆円)相当の地金を保管ている。また、ブリオンボールトのサービスは自己投資型個人年金の英国のSIPPや米国のIRA口座、信託口座、企業やチャリティー団体が現物金地金を保有するためにも使われている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。

•オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
•米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
•地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
•日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。

ブリオンボールトは、2008年から専門業界団体であるロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員であり、2017年には、鉱業業界が支援するワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルのオンライン保管金銀地金パートナーに選ばれる。BBC、Handelsblatt、Bloomberg、日経ビジネスなど、英国内外の主要メディアで定期的に引用されているブリオンボールトは、2022年に3度目の英国企業女王賞を受賞している。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp

ブリオンボールト

プロフィール

ブリオンボールト

BullionVault

英国最大手のオンライン金地金取引サービス提供。英国女王賞を2009年に革新部門、2013年に国際取引部門で受賞。7万人を超える顧客の約38.7トンの金地金を保管。 ロンドン貴金属市場協会の正会員。ワールド ゴールド カウンシルの関連会社とロスチャイルドファンドが資本参加。

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