金利急騰で金価格が下落、個人投資家の金純購入量は過去5年で最大に
2026年10月12日 ロンドン ― 金価格が急落する中、個人投資家による金需要が強まっている。世界有数のオンライン貴金属取引市場であるブリオンボールトでは、9月の金の純購入量が過去5年で最大となった。
ロンドン西部に拠点を置くフィンテック企業である同社は、世界各地の顧客から総額82億ドル相当の現物貴金属を預かっている。9月の顧客による金の純購入量は389キログラムに達した。
顧客の金保有量の月間増加幅としては、2021年6月以来の大きさとなった。評価額では5,400万ドルに達し、過去最高の1億200万ドルを記録した2020年3月以来の高水準となった。顧客の金はすべて、各顧客が選択したロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トロント、または最も人気の高いチューリッヒの保管場所で、安全に保管され、保険が掛けられている。
ブリオンボールトのリサーチ責任者であるエイドリアン・アッシュは、次のように述べている。
「債券利回りの急上昇は、金価格を押し下げる要因となっている。しかし、その下落が金への投資需要を一段と押し上げている。中央銀行全体と同様に、個人投資家も資産分散のため、そして現在の巨額の財政赤字と政府債務がもたらす通貨価値の低下に備える保険として、金を積み増している。」
金価格は9月、ドル建てで8.5%下落し、9月の下落率としては過去15年で最大となった。これにより、8月の金価格急騰による上昇幅のほぼ4分の3が失われた。
ブリオンボールトでは、金を購入した投資家の数が8月比で9.8%増加し、3カ月ぶりの高水準となった。ただし、過去最多を記録した今年3月と比べると43.7%少なく、その6割弱の水準であった。一方、売却した投資家の数は26.5%減少し、2024年12月以来の低水準となった。今年1月の過去最多と比べると62.7%少なく、4割弱にとどまった。
この結果、個人投資家の実際の売買行動を示すブリオンボールト独自の指標である金投資家インデックスは、前月から1.8ポイント上昇して55.9となり、6月以来の高水準となった。
同指数の過去5年間の平均は54.2である。購入量が売却量を上回った投資家の数と、売却量が購入量を上回った投資家の数が一致した場合、指数は50.0となる。今年3月には、コロナ禍後の最高値である60.7を記録した。また、2024年3月に過去最低の47.5を付けて以来、50.0を下回っていない。
アッシュは、次のように説明している。
「債券利回りが急上昇すると金価格が下落するのは自然なことである。金利の上昇は、銀行預金や債券から得られる利息を放棄して金地金を保有することの機会費用を高める。また、借入コストの上昇は、デリバティブ市場における投機的な取引も抑制する。
しかし、現在の金価格は、昨年の同時期には過去最高値であった水準にある一方、長期金利は過去四半世紀の最高水準に近づいている。この乖離は、中央銀行による金購入の継続と、欧米諸国の財政赤字や政府債務の持続可能性に対する投資家の懸念の広がりを反映している。」
銀価格は9月、金を上回る下落率を記録した。工業用途の比重がより大きい銀は、ドル建てで13.6%下落し、金と同様に8月の上昇幅の4分の3を失った。
個人投資家による銀の純購入量は6月以来の高水準となり、ブリオンボールトの顧客の銀保有量は3.5トン増加し、9カ月ぶりの高水準となる1,139.0トンに達した。銀を購入した投資家の数は20カ月連続で売却した投資家の数を上回り、銀投資家インデックスも1.3ポイント上昇して、2カ月ぶりの高水準である52.5となった。
一方、貴金属投資を初めて行う動きは、9月に前月からやや鈍化し、ブリオンボールトの新規利用者数は6.6%減少した。前年9月比では52.5%減と半分以下になったものの、9月としては同社の創業以来21年間で5番目に多い新規利用者数となった。
以上
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家による地金現物への投資動向を示す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われているブリオンボールトのオンライン市場における実際の取引データを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間の買い越し投資家数と売り越し投資家数のバランスを表している。購入者数と売却者数が同数の場合を50としている。
金投資家インデックスは、新型コロナウイルスが世界的に広がった2020年3月に65.9と10年間の最高値を記録し、2024年3月には47.5と記録的な低水準に下げていた。
ブリオンボールトが発表するデータは、他の金銀地金市場のデータを補完するものであり、個人投資家へのアンケート等で示される投資の「意図」ではなく、実際の取引データを基に算出されている。詳しくは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)のAlchemist誌の2013年の記事を参照。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ・パラジウム地金現物の世界最大のオンライン市場である。個人投資家に、専門市場の低コスト、豊富な流動性、高度なセキュリティを提供しており、現在、175カ国の13万人を超える顧客が82億ドル(62億ポンド、72億ユーロ、約1.3兆円)を超える資産を保有している。また、ブリオンボールトのサービスは、英国の自己投資型個人年金(SIPP)や米国の個人退職口座(IRA)、信託口座のほか、企業やチャリティー団体による現物金地金の保有にも利用されている。
ブリオンボールトは、以下のサービスを提供している。
• オンラインとモバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
• 米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
• 地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
• 日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するデイリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年から専門業界団体であるロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員であり、2017年にはロンドン・プラチナ・パラジウム市場(LPPM)に加盟し、鉱業業界が支援するワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルのオンライン保管金銀地金パートナーに選ばれた。BBC、Handelsblatt、Bloomberg、日経新聞、日経ビジネスなど、英国内外の主要メディアで定期的に引用されているブリオンボールトは、2022年に3度目の英国企業女王賞を受賞している。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp






