世界遺産実現へ、日本最大級の金銀山「佐渡金山」―黄金の島・佐渡(後編)
キーワード佐渡金山
黄金の島・佐渡(前編)では、明治以降の坑道、採掘跡である「道遊坑(どうゆうこう)」を中心に採鉱から代化産業遺産までをご紹介しました。
▼世界遺産登録をめざす日本最大級の金銀山「佐渡金山」?黄金の島・佐渡(前編)
▼黄金の島・佐渡「佐渡金山」フォトギャラリー
後編では江戸時代の坑道、採掘跡の「宗太夫坑(そうだゆうこう)」と資料館、売店などをご紹介いたします。
■江戸時代をそのまま再現「宗太夫坑」
佐渡金山は、1601年に山師3人により発見され、1602年には徳川幕府直轄の天領となり、江戸幕府の財政を支えました。その当時の採掘の様子を再現したのがこの「宗太夫坑」となります。
少し小さくて見づらいですが、こちらが観光坑道内の案内図です。
こちらは元禄時代に描かれた佐渡金山の測量図「高下振矩絵図」。
こちらは「水上輪(すいじょうりん)」。佐渡金山の坑道は、開山から百年たらずで、海面下に至り、地下水との戦いが採掘量に影響しました。そのため、この水上輪と呼ばれる手回しポンプで水を組み上げていました。水上輪は、長さ3m、直径30cm程の長細い桶の中に螺旋状の翼を取り付け、桶全体をハンドルで回転させ、水をねじ上げるものでした。
こちらは「休息所」の様子。金穿大工は、坑内労働者の中では技術者として優遇されており、採掘は4時間ごとの交代制でしたので、休憩の時間もとれ、むしろの上で横になることもできました。
こちらは「やわらぎ」といって、神事芸能で、金穿大工達が山の神の心を和らげ、安全に採掘できるよう、また鉱脈が軟らかくなることを祈って大山祗神社に奉納する様子を表しています。
■佐渡金山展示資料室
宗太夫坑を抜けた先には、佐渡金山に関する資料室があります。
第1展示室では江戸時代の佐渡金山の仕事の様子や、鉱石を採掘して製錬し、そして佐渡小判の出来るまでの工程を、絵図に基づき縮尺1/10の500体の人形や正確な模型で説明してあります。
鉱山内部での労働の様子もミニチュアでわかりやすく展示。これは凄い。
第2展示室では、実寸大の南沢疏水体験坑道や、鉱脈模型、純金復元の大判小判、触れることの出来る金塊の展示などがあります
こちらは純金復元の大判小判の展示・説明。
こちらは12.5キログラムの金塊をこの箱の穴から取り出せた方に記念品をプレゼントする「金塊チャレンジ!」。取り出すにはコツがあるみたいですが、さてアナタは取り出せるでしょうか?
■黄金グッズが満載なお土産処
資料館1Fにある売店では、三菱マテリアルや田中貴金属ジュエリーから直接仕入れた金や金製品も販売しています。
佐渡金山産の金鉱石も販売しています。
金塊型の文鎮や小判型の入浴剤など色々な商品があります。
店員の方にお伺いした所、一番人気は右側の「埋蔵金チョコレート」だそうです。ちなみに左側に持って頂いているのはインゴット型文鎮です(^^)
前編・後編と分けて佐渡金山を出来る限りご紹介させて頂きました。今回11月下旬に伺わせて頂きましたが、丁度紅葉も美しい時期でゆっくり佐渡金山を見て回るにはよい季節かもしれません。
貴重な近代産業遺産が数多く残されているこの佐渡金山。世界遺産登録となる前に是非一度足を運んでみてください。
▼史跡 佐渡金山 公式WEBサイト
▼佐渡金銀山を世界遺産に(新潟県佐渡市)
- 撮影者:GOLDNEWS
- 場所:新潟・佐渡市 佐渡金山