三体の金箔彫刻が街のシンボル?熊本・津奈木町
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熊本県南部、水俣市の隣の葦北郡にある津奈木町(つなぎまち)には、緑と彫刻のあるまちとして、町内の橋の欄干や公園などに全部で16体の彫刻が設置されています。その中でも、あけぼの橋・津奈木大橋・茜橋に設置されている彫刻家の故岩野勇三氏制作による3体の金箔彫刻は街のシンボルになっています。
▼緑と彫刻のあるまち「津奈木町」、16体の彫刻群
まず茜橋の欄干に設置されているのは1985年11月に制作された「爽風(そうふう)」という作品です。
爽風(そうふう)
海から吹き寄せてくる風が自然界に多くの恵美を与えてくれるように、「爽風」が町に吹き、発展していくように…と願いが込められています。設置当初、橋の上の彫刻として話題を呼び、新聞・テレビ等で取り上げられ、町の顔として広く紹介されました。彫刻の立つあけぼの橋は、建設省の「第一回手づくり郷土賞」を受賞しています。
裏側からも撮ってみます。
次に津奈木大橋の欄干に設置されているのは1987年10月に作成された「薫風(くんぷう)」という作品です。
薫風(くんぷう)
両手を大きく広げ、包み込むようなその姿は、万物の包容を表現しており、均整のとれた肉体美からは男性の力強さが溢れています。夕日を背にした「薫風」は、ギリシャ神話のアポロンの神のようで、津奈木大橋から町を見下ろし、静かに見守っているようでもあります。
寄ってみます。
そして津奈木大橋から東の上流側を見ると、向こうの橋の上にも金色の彫刻が見えますので行ってみましょう。
こちらの茜橋の欄干に設置されているのは1988年11月に作成された「風ん子(かぜんこ)」という作品です。
風ん子(かぜんこ)
タンポポの花の種が風に乗って飛んでゆく様を象徴しており、今まさに町の子どもたちが元気よく飛び立とうとしているところを表現した作品です。
正面から。
寄ってみます。
この「爽風」「薫風」「風ん子」の三体は、風をテーマに製作され、父・母・子どもたちの平和で理想的な家庭を表しています。この彫刻に張られている金箔は、2010年8月におよそ25年ぶりに張り替えられ、現在は写真の通り眩い光を反射して輝いています。
- 撮影者:GOLDNEWS
- 場所:熊本県葦北郡津奈木町(あけぼの橋・津奈木大橋・茜橋)