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国内第4位の産出金量を誇った「串木野金山」のいま?鹿児島・薩摩金山蔵

キーワード串木野金山 

串木野金山(くしきのきんざん)。菱刈鉱山(鹿児島・稼行中)211.9トン、佐渡金山(新潟)82.9トン、鴻之舞金山(北海道)73.2トンに次いで国内第4位の55.7トンの産金量を誇った鉱山で、鹿児島県西部のいちき串木野市にあります。350年以上の歴史を持つこの鉱山では、1988年から坑道跡を利用し金をテーマにしたテーマパーク「ゴールドパーク串木野」をオープンさせましたが、業績低迷のため2003年に閉鎖、2005年に串木野市に本社を置く酒造メーカー・濱田酒造が施設の跡地を利用する形で金と焼酎をテーマとした「薩摩金山蔵」として再オープンし現在に至っています。
▼三井串木野鉱山:写真で見る串木野鉱山の歴史
▼濱田酒造:薩摩金山蔵公式WEBサイト
▼薩摩金山蔵・串木野金山跡フォトギャラリー


串木野金山の坑道を利用、「金と焼酎」をテーマにした『薩摩金山蔵』


串木野金山跡の「薩摩金山蔵」へは、鹿児島空港からは高速を利用して約50分程度、最寄駅のJR串木野駅からは車で約10分程度のところにあります。

こちらが現在の「金と焼酎」をテーマにした観光施設『薩摩金山蔵(さつまきんざんぐら)』。


濱田酒造:薩摩金山蔵


「薩摩金山蔵」は、かつて薩摩藩の栄華を支えた串木野金山に、薩摩の精神文化と本格焼酎のルーツを求め、日本の本格焼酎の歴史といにしえの文化を後世に語り継ぐ場所として誕生しました。

350余年にわたり掘り続けられた総延長120kmの坑道は、年間をとおし気温が一定で、焼酎の貯蔵・熟成にとてもよい環境であったため、ここに、甕仕込みと甕貯蔵の蔵を構え、明治以前の焼酎づくりをコンセプトに、女性杜氏による焼酎づくりを行っています。


坑道内トロッコ乗り場へ


坑道内へは、かつてゴールドパーク串木野で利用されていたトロッコを活用し、焼酎仕込蔵・貯蔵庫見学が可能です(トロッコは1日6往復、約1時間おきに運行)。


串木野金山資料館


トロッコ乗り場の手前には串木野金山の歴史を振り返ることのできる体験型ミュージアム「金山資料館」があります。金に関する基礎知識から、実際の鉱石、またかつての串木野金山を表したミニチュア模型まで見どころ満載。


金の延性を表現:もし金の糸で反物ができたら?


こちらは「金の延性=物体が、その弾性の限界を超えても破壊されずに引き伸ばされる性質」を表現した展示。


金の展性を表現:もし金箔の畳ができたら?


そちてこちらは「金の展性=破壊されることなく薄い箔に広げられる性質」を表現した展示。なかなか面白い表現方法です。


薩摩金山蔵:トロッコでの焼酎仕込蔵・貯蔵庫見学


さてトロッコの時間になりましたので、坑道内へと向かいます。このトロッコ、電車マニアの方にも人気があるそうです。


坑道入り口


坑道内


坑道入口から約8分くらいで冒頭の写真で掲示した坑道内の観光施設に到着します。金山の歴史や仕込み蔵についてのガイド、及びトロッコの運転手は金山蔵の田渕さんが行ってくださいました。



坑道の様子はGoogleインドアビューで見れますので、ぜひ地下坑内仕込み蔵・貯蔵庫をバーチャル体験してみてください。

ここからは坑内に残されている主要な設備についてご紹介していきます。
まずこちらは「巻き上げ機」で、「人車」「坑石運搬車」を上下に移動させる機械です。


串木野金山:巻き上げ機


これは他の観光坑道では見られない珍しい「人車」。斜坑で作業員や資材を運搬する車です。乗車定員は22名。


串木野金山:人車


こちらは鉱石を運ぶ「グランビー鉱車」。


串木野金山:グランビー鉱車


こちらは坑道断面図。現在では観光ゾーンより下の部分は水没しています。


串木野金山:坑道断面図


現在の坑内では、焼酎の貯蔵・熟成にとてもよい環境ということを利用し、焼酎の仕込み・貯蔵・熟成を行っています。こちらは熟成に使用する1000リットル甕が並ぶ貯蔵庫。


薩摩金山蔵:1000リットル甕が並ぶ貯蔵庫


そして、光の遮断、年間19℃前後の安定した恒温、少し高めの湿度という長期貯蔵に不可欠な三要素が整うここの環境でしか作れないものがあります。それが世界唯一の「黄金麹」仕込みの本格芋焼酎。


薩摩金山蔵:黄金麹


黄金麹(おうごんこうじ)とは
黄金麹は明治44年、泡盛黒麹から発見された黄金色の麹菌です。その後使われることはなく、永い歳月眠りについていました。金山蔵を開く際に、オリジナル麹菌の開発を進めていたところ、黄金色の麹についての文献を発見します。そこから保存株の入手、種麹化の成功を経て、金山蔵の黄金麹菌による世界で唯一の焼酎づくりがはじまりました。

金山蔵 坑洞内甕貯蔵


鹿児島県産のさつま芋を薩摩金山蔵にしかないオリジナルの黄金麹で仕込み、常圧蒸留、坑洞内甕貯蔵でじっくり熟成させた、ここにしかない焼酎がこちらの「金山蔵 坑洞内甕貯蔵」。黄金麹由来の香り高く、甘い香りが特長です。


薩摩金山蔵:「熟成と共に福来たり」熟成保存


また金山蔵の見学ツアーに参加し、どんぶり仕込みの本格芋焼酎「熟成と共に福来たり」を購入すると、金山蔵坑洞内にて最長5年間熟成保存ができます。ラベルにメッセージを記入できるので、未来の自分への贈り物や、節目の記念日のお祝い品として多くの方が利用されています。


薩摩金山蔵:黄金観音像


坑道内見学の最後は「黄金の観音像」。

「金と焼酎」をテーマにした『薩摩金山蔵』では、金鉱山の特性を活かした坑洞内の焼酎蔵をはじめ、広く薩摩の文化・焼酎の歴史や製法に親しむことができます。お近くに行かれることがあれば、ぜひお立ち寄りください。
▼濱田酒造:薩摩金山蔵公式WEBサイト


濱田酒造:薩摩金山蔵

  • 撮影者:GOLDNEWS
  • 場所:鹿児島・いちき串木野 薩摩金山蔵

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