金・銀価格の急騰に終息の兆しなし~ ブリオンボールト、2025年の新規顧客が過去最高水準に
2025年12月4日・ロンドン - 金と銀の価格が2025年に1979年以来となるペースで急騰する中、ブリオンボールトでの初回購入者数は金融・経済危機時に匹敵する水準で推移していることが、低コストで世界有数のオンライン貴金属取引市場を提供する同社の新たなデータで明らかになった。
「金と銀は、ドナルド・トランプ氏のホワイトハウス復帰1年目に、まるで銀行危機やコロナ禍のような反応を示している」と、ブリオンボールトのリサーチディレクターであるエイドリアン・アッシュは述べる。
「現在の金銀価格に見られる熱狂は自然に沈静化する可能性もあるが、長期的な強気相場に対して有効な“治療薬”は見当たらない。2013年に量的緩和の抑制が金銀価格を押し下げた時や、5年前にワクチンが効いた時のような状況にはない。
来年の地政学的見通しに加えて、トランプが連邦準備制度理事会を掌握したことを踏まえると、地金価格の基調的な上昇トレンドは今後も続くように見える。」
過去12か月において、ブリオンボールトにおいて新規需要が急増した。同社は現在12万人に利用され、金・銀・プラチナ・パラジウムの保管価値は過去最高の80億ドル(61億ポンド、69億ユーロ、1.2兆円)に達している。この需要の高まりにより、新規の地金購入者数は2020年と2011年を除く全暦年を上回り、2024年比で121.7%増となった。
「2025年と過去の急騰期との大きな違いは、西側投資家が金融危機やコロナ禍の時ほど地金を保有していなかった点である」とアッシュは述べる。
「そのため、今年の買いの急増は、既存投資家による利益確定売りによって相殺されている。」
11月にブリオンボールトで金を購入した投資家の数は、10月の準史上最高水準から38.8%減少した(10月は2020年3月に次ぐ水準であった)。
売却者数も同様に39.3%減となり、10月の史上最高から大きく減少した。
これにより、実際の現物売買取引データのみから算出されるセンチメント指標「金投資家インデックス」は、10月の56か月ぶり高値から3.2ポイント低下し、54.7と3か月ぶりの低水準となった。
指数が50.0を上回る場合、買い手が売り手を上回ることを意味する。同指数は2011年9月の世界金融危機のピーク時に71.7の史上最高を記録し、2020年3月のコロナ禍拡大時には65.9と10年ぶりの高値をつけた。
その後、2024年3月には47.5の史上最低を記録し、この数値で3度目となる「売り手超過」を示した。これは、価格急騰による大規模な利益確定が、新規買いの伸びを圧倒したためである。
「長期投資家がポートフォリオ調整のために保有量を減らし続ける一方で、新規購入者は今年すでに強い利益を得ている」とアッシュは述べる。
「実際、2025年に初めて金を購入した投資家は、11月に保有地金の全部または一部を売却する可能性が、他の年度層よりも高い。」
1〜11月のいずれかの時点で金を購入した場合、ブリオンボールトでは平均して米ドル建て23.6%(ポンド建て24.3%、ユーロ建て20.3%)の純利益が出ている。
11月初め時点で、2025年の初回購入者は金保有者全体の12.4%を占めたが、同月の純売却者の21.2%を占め、年度別で最も利益確定の強い層となった。これは次点の2024年比で36.5%高い割合である。
数量ベースでは、金の過去最高値を受けて11月の売りがわずかに買いを上回り、ユーザー全体の保有量は0.1トン(92kg、-0.2%)減少して43.9トンとなり、6か月ぶりの低水準となった。
一方、価値ベースでは保有評価額は月間4.2%上昇し、6か月連続で月末の過去最高を更新して59億ドル(44億ポンド、51億ユーロ、9,240億円)となった。
銀については、10月の56か月ぶり高水準から11月の買い手数が46.4%減少したが、売り手数も23.8%減少した。
その結果、銀投資家インデックスは6.6ポイント低下し、52.1と8月以来の低水準となった。
同指数は2020年3月、パンデミック初期に銀価格が2割下落した際に75.1の史上最高を記録したが、2024年3月には45.0と史上最低を記録し、価格急騰に伴う利益確定売りが新規買いを大きく上回った。
ドル建て銀価格は11月の平均で1トロイオンス50ドルを超え、3か月連続の月間平均最高値更新となり、これは1979年以来の長さである。
重量ベースでは、銀の新高値を受けて11月は3か月連続の売り越しとなり、保有量は0.5トン(555kg、0.1%未満)減少して1,153トンと4か月ぶりの低水準となった。
一方、評価額ベースでは保有額は月間10.1%増となり、6か月連続で過去最高を更新して20億ドル(15億ポンド、17億ユーロ、3,120億円)に達した。
「2011年や2020年の貴金属相場急騰とは異なり、今年は金融市場全体に極端なストレスがあるわけではない。むしろ、世界の株式市場は史上最高値にある」とアッシュは述べる。
「しかし、AIバブルが2026年に崩壊するとの懸念が高まる中、もし株式市場が反転すれば、希少な現物資産である貴金属の魅力が一段と強まらない方が不自然である。」
以上
連絡先: ホワイトハウス佐藤敦子
直通電話番号: +44(0)20 8846 3804
メールアドレス:atsuko.whitehouse@bullionvault.com
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
金投資家インデックスは、新型コロナウィルスが世界的に広がった2020年3月に65.9と10年間の最高値を記録し、2024年3月には47.5と記録的な低水準に下げていた。
ブリオンボールトが発表するデータは、他の金銀地金市場のデータを補完し、世界最大の個人投資家へ行ったアンケート等の「意図」ではなく、実際に取引されたデータを基に算出されている。詳しくは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)のAlchemist誌の2013年の記事を参照。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ・パラジウム地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。今年4月で20年を迎える専門市場の低コストと深い流動性とセキュリティーを提供するサービスを利用して、現段階で175か国からの120,000人を超える個人投資家が80億ドル(61億ポンド、69億ユーロ、1.2兆円)相当の地金を保管ている。また、ブリオンボールトのサービスは自己投資型個人年金の英国のSIPPや米国のIRA口座、信託口座、企業やチャリティー団体が現物金地金を保有するためにも使われている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
• オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
• 米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
• 地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
• 日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年から専門業界団体であるロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員であり、2017年には、鉱業業界が支援するワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルのオンライン保管金銀地金パートナーに選ばれる。BBC、Handelsblatt、Bloomberg、日経ビジネスなど、英国内外の主要メディアで定期的に引用されているブリオンボールトは、2022年に3度目の英国企業女王賞を受賞している。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp






