日銀、貨幣博物館を11月21日に新装オープン!
キーワード日本銀行
日本銀行は、1985年(昭和60年)の貨幣博物館開館から30年を迎える本年、11月21日にリニューアルオープンします。同博物館では和同開珎から日本銀行券まで実物のお金を見ながら、日本のお金の歴史を学ぶことができ、今回のリニューアルにあたっては、各種展示での工夫と体感でのひねりが随所にみられ、どなたでも楽しめる博物館に生まれ変わっています。
現在、日本銀行本店のある場所は、江戸時代金貨を作っていた「金座」がありました。日銀の建物は1896年辰野金吾氏の設計により完成しました。その日本銀行本店の向かい側に「貨幣博物館」はあります。
今回30年ぶりのリニューアルにあたってのポイントは3点。
1.どなたでも利用しやすい博物館に(見やすい展示、エレベータの設置など)
2.どなたでも楽しめるように(体験展示を充実、記念撮影スポット親切)
3.展示内容を刷新(最新の研究成果や来館者の関心を踏まえ内容刷新)
お金の歴史や役割、文化・社会との関わりをより考えられるスポットに生まれ変わりました。
ここからは各展示ゾーンごとに写真を中心にお届けします。
■古代(7世紀?12世紀半ば)
まずは古代(7世紀?12世紀半ば)ゾーン、「金属のお金のはじまり」から。
ここでの見どころは、日本で最初の貨幣と言われてきた和同開珎の前に存在した「無文銀銭」や「富本銭」に注目です。
また今回のリニューアルでの展示構成で注目すべき点は、その当時のモノを買うときにどの位のお金が実際必要だったのか、ということが目に見えてわかるようになっている所です(昔の物の値段、暮らしの中のお金)。この「お金の使われ方」の切り口はとてもわかり易く、実感を得られる展示です。
またお子様でも楽しめる体感展示も充実。こちらは古代ゾーンにある体感展示で、ビー玉をお金に置き換え、モノを買うのに必要なお金をそれぞれの穴に入れられるかというゲームです。かなりムズいです(^^)
■中世(12世紀半ば?16世紀後半)
中世(12世紀半ば?16世紀後半)ゾーン、「海を超えてきたお金」。
ここでの目玉展示は2つ。まずは豊臣秀吉がつくらせた最初の大判である「天正菱大判」。現存するのは数点とか。こちらは2016年2月末までの期間限定展示となり、以降はレプリカの展示ですのでお早めにご来館の上見て頂ければと。
もうひとつは備蓄などのやめに16-17世紀に分銅の形に作られた黄金の金塊「分銅金(ふんどうきん)」の展示。金の品位は約95%、重さ375グラム。4種類もの分銅金が見られるのは、この貨幣博物館だけとなります。
こちらは中世ゾーンの体感展示から2つを紹介。上は、大判と分銅金の重さを実際に持ち上げて体験できます。下のはまたモノをお金で買ってみようゲームで、今度はお金を弾いて目的の場所に入れられるかというゲームですね。
こちらは江戸時代の両替屋が実際に使っていた仕事道具を展示しています。
■近代(19世紀後半?20世紀)
そして近代(19世紀後半?20世紀)ゾーン、「円」とにちぎん。
新貨条例(1871年)により、政府は金本位制(金1.5g=1円)を採用するとともに、十進法の貨幣単位「円・銭・厘」を導入し、貨幣単位は1円=100銭=1000厘に。当時の為替レートは、1米ドル=約1円だった。
こちらは1885年(明治18年)に発行された、最初の日本銀行券(兌換銀券)。お札には大黒の像が描かれており「大黒札」とも呼ばれていました。
■その他のみどころ
まだまだ見どころはたくさんある中から編集部おすすめなポイントを幾つかご紹介。
こちらではお金の元となる金属の現物から、昔の作成方法までをわかりやすく説明しています。
こちらは会場外にある「一億円を持ってみよう」のコーナー。ぜひ、両手でずっしりを。
特に個人的に嬉しかったのはこちらのオリジナルスタンプ。専用用紙に押す形ですが、お札であったり小銭であったりと、用紙にぴったり合う形の「貨幣博物館」ならではのスタンプとなっています。全部集めて下さい(^^)
最後はこちらのアート。「宝樹(ほうじゅ)」という作品タイトルで、まさに「あれ」をモチーフにしていますね。この辺りも貨幣博物館にくれば「あーー」となるはず。ぜひチェックあれ。
貨幣博物館、リニューアルにあたって、年内の土曜日は開館時間を19時まで延長(通常は16:30閉館で入館は30分前まで)。入館料は無料です。
▼日本銀行 金融研究所「貨幣博物館」公式ページ
<アクセス>
地下鉄
半蔵門線 三越前駅(B1出口)から徒歩1分
銀座線 三越前駅(A5出口)から徒歩2分
東西線 日本橋駅(A1出口)から徒歩6分
JR
東京駅日本橋口から徒歩8分
- 撮影者:GOLDNEWS
- 場所:東京・中央区 貨幣博物館