[金投資家インデックス] 価格の下げで金売却者は激減、 金購入者は23.5%増へ
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価格の下げで金売却者は2008年の世界金融危機直前の水準に激減し、金購入者は23.5%増へ
2018年8月7 日ロンドン: 先月の個人投資家の金購入は金売却を大きく上回り、2008年の世界金融危機の直前以来の水準となったことが、ブリオンボールトの最新のデータで明らかとなった。
月間平均金価格は、7月に1年ぶりの低さとなり、今年4月の20ヶ月ぶりの高さからは7.2%下げていた。
ブリオンボールトで実際に行われた売買データから算出された金投資家インデックスは、6月の54.8から56.8へと上昇していた。これは、トランプ大統領が就任して以来の最も高い数値で、3ヶ月間の上げ幅としては2012年末以来の急激なもので8.2%だった。
先月一ヶ月間に、金売却が購入を上回ったネットの金売却者数は6月から10.8%下げ、2008年8月以来の数値となっていた。ちなみに当時のブリオンボールトの顧客規模は現在の5分の1であった。
それに対し、先月ブリオンボールトでネットで金を購入した個人投資家の数は、前月から23.5%増加し、購入者数と売却者数の比率は4.4対1となっていた。このように大きな比率となったのは10年ぶりでもあった。
これは、ユーロ圏の投資家によって牽引されていた。そのネット購入者数とネット売却者数の差は、比率にすると6.1対1であったことからも明らかであった。この間ユーロ建て金価格は、2016年1月以来の低さへと下げていた。
そのために、ブリオンボールトを利用する個人投資家によって保管されている金の総量は、月間で339キロ増加し、昨年12月以来の最大の月間増加量となっていた。
そこで、ブリオンボールトで保管されている金地金の総量は、史上最高の39トンへと達し、北アメリカで上場されている金ETFの最大銘柄4つに次ぐ量となった。
ブリオンボールトのリサーチ・ダイレクターのエィドリアン・アッシュは、この数値の背景を次のように分析している。
「先月のように個人投資家の売却が記録的に低い水準となったのは、欧米の多くの銀行と共にリーマン・ブラザーズをも破綻に追い込んだ世界金融危機が引き起こる直前にも見られた。もしこの経験から学ぶべきことがあるのであれば、貯蓄家や株式へ投資している人々は注意すべきであろう。
弊社の顧客は金を購入する理由として、歴史的にも証明されている他の資産が下げるときにその価値を上昇させる金融システムの保険的役割があるためとしている。先月の顧客の動きは価格の下落が要因であるものの、既に金を保有している人々にとっては、その保有量を増加させることに迷いは無いことを改めて示すこととなった。
しかし、このように既存の顧客による堅固な金投資意欲とは異なり、新たな投資家による金購入の動きは引き続き弱いものではあった。これは、世界の株式市場が新たな史上最高値を付けてはいないものの、金融市場全般への楽観的な見通しを持つ人々の多さからとも言えるだろう。」
Googleトレンドで「金を購入」の検索量を確認してみると、6月の11年ぶりの低い数値よりも増加しているものの、6月と7月の数値は過去10年間の平均の3分の1で、2008年から2012年までの期間と比較すると、その半分にも至っていないことが明らかとなっている。
また、ブリオンボールトにおける新規顧客による金購入は、4年ぶりの低さを記録した5月からは8.1%増と2ヶ月連続で増加はしていた。しかし、過去12か月の平均の30.5%減であり、過去5年間の平均よりも36.5%減となっていた。
金同様に、先月は月間で銀の売却が購入を上回った顧客数も2010年8月以来の低い水準となっていた。当時の銀投資を行っていた顧客規模は現在の10分の1であったにもかかわらずだ。
そのために、銀投資家インデックスは、銀価格がドル建てで2016年3月以来の低さへと4.9%下げていた先月に53.7と6月の50.9から大きく上昇し、5ヶ月ぶりの高さとなっていた。
重量においては、ブリオンボールトの顧客は全体で5トンその保有量を増加させ、月間の増加量としては、今年3月以来の多さとなっていた。
そのため、ブリオンボールトで顧客が保管する銀の総量は、新たな記録の727.8トンとなり、ドル建て価格が同様な低水準を推移していた頃から31.8%増となっていた。
以上
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ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
この数値の最高値は、欧州の債務危機の最中の2011年9月に金価格がドル建てで最高値を付けていた際の71.1で、それは英国の多くの都市で暴動が起こった翌月でもあった。そして、この数値の最低値は50.5で、金価格が数年ぶりの低い値となっていた2014年から2015年の冬であった。それ以来、金・銀投資家インデックスは金・銀価格との強い負の相関性を保っており、トランプ大統領が選出されて以来21ヶ月中の18ヶ月がこの傾向となっている。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業であり、現時点で7万人を超える183ヵ国の顧客が、低い費用で流動性が高く安全な貴金属専門市場にアクセスできるこのサービスを利用している。
89%が北アメリカと西ヨーロッパに居住するブリオンボールトの顧客によって保管されている金地金の評価額は、現在約15億ドル(約1710億円相当)であり、これは、多くの中央銀行が保有する金備蓄量を上回る。それに加え、3億6100万ドル(約400億円相当)の顧客の銀地金を保管し、2017年3月にワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルと提携して提供を始めた1600万ドル(約18億円相当)の顧客のプラチナを保管している。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
•オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
•米国ドル・ユーロ・英国ポンドによる即時決済。
•地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
•日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして、2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引 部門で2度目の受賞をしている。また、英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされ、そのサービスは、2014年11月に、英主要経済誌「Money Week(マネーウィーク)」の購読者によって「最良の金取引業者」に選ばれている。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp