【金投資家インデックス】6か月連続の金需要の増加は利益確定の売却で止まる
年初に過去9年間同様に金相場が上昇したことで
6か月連続の金需要の増加は利益確定の売却で止まる
ロンドン 2020年2 月4日:金投資の需要は1月に減少し、6か月連続の需要の高まりは、年初の米国とイラン情勢緊迫化と新型コロナウイルス感染拡大から金価格が7年ぶりの高さへと上昇し、既存顧客の利益確定の売却が新たな投資需要を上回ることとなった。
金価格は今年9年連続で1月に前月比上昇し、その上げ幅が5.7%であったことから、世界最大のオンライン地金市場を提供するブリオンボールトでは顧客保有の金総量は0.6%減少し、12月の史上最高値からほぼ250キロ減の39トンへと下げていた。
そのため、1月に重量で金総量は減少したものの、金価格上昇からも評価額においては史上最高の前月比3.4%高の20億ドル(2160億円相当)となっていた。
また、1月は新規顧客数が、トランプ大統領が選出された2016年11月以来3番目に高いもので、1月としては2013年以来の高さとなっていた。そのために、先月月間で購入量が売却量を上回った顧客数は前月比4.7%増加していたものの、売却量が購入量を上回っていた顧客数が88.7%増加と、昨年6月以来の高さとなっていた。
そのために、ブリオンボールトで実際に取引された数値を基に算出される金投資家インデックスは、53.5と6か月ぶりの低さで、前月の55.6から下げていた。
金投資家インデックスは50であった場合、その月の購入が売却を上回った顧客数と売却が購入を上回った顧客数が完璧に一致したこととなる。そして、昨年6月はひと月の金価格の上げ幅が5.9%と2016年2月以来の大きさとなり、10年ぶりの低さの49.1を付けていた。
2020年1月はこの価格上昇幅とほぼ同水準の5.7%で、月間平均金価格はトロイオンスあたり1560ドルと、30年ぶりの大きな価格の下げを見せる直前の2013年3月以来の高さとなっていた。
ブリオンボールとのリサーチ・ダィレクターのエイドリアン・アッシュは下記のようにコメントしている。
「過去9年間に金価格が1月に常に上昇する中で、金投資家インデックスは一回を除き常に前月比下げていた。これは、通常一般投資家は1月にポートフォリオの資産の見直しを行い、金市場は1月に上昇する傾向があるために、すでに金を保有している投資家は利益確定の機会と見るのが背景にある。
2020年1月は7年ぶりの多くの新規顧客数となっているものの、既存の顧客にとってはポートフォリオのリバランスの機会となったようだ。政治や経済の不透明感からも、金相場のボラティリティは高まっており、新たな金地金現物投資への需要も高めている。」
先月の利益確定は、2019年に金を先月比平均トロイオンスあたり170ドル安く購入した投資家によって行われていた。この昨年金を購入した顧客は全体の10.9%で、売却量が購入量を上回っていた顧客の14.1%であった。
過去5年間の月間平均と比較しても、1月の新規顧客数は38.6%増加していた。そしてその傾向は地域で大きく異なり、ユーロ圏からは121.6%増で、英国は5.4%減、米国は29.9%減となっていた。
銀においても金同様にその価格がドル建てで5%上昇し、昨年9月以来の高さでトロイオンスあたり17.97ドルとなっていた。
そこで、銀投資家インデックスも6か月ぶりの低さの52.6と前月の53.5から下げていた。
また、金と同様にブリオンボールトで顧客が保有する銀の評価額は、1月に史上最高の4億7700万ドル(520億円相当)で、重量においても前月比7トン増で史上最高値の829トンとなっていた。
そして、評価額2800万ドル(30億円相当)のプラチナを含めて、ブリオンボールトの保管する顧客の金・銀・プラチナの評価額は約25億ドル(約2710億円相当)と新たな記録で、昨年同月比20.6%増となっていた。
以上
連絡先: ホワイトハウス佐藤敦子
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メールアドレス:atsuko.whitehouse@bullionvault.com
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
この数値の最高値は、欧州の債務危機の最中の2011年9月に金価格がドル建てで最高値を付けていた際の71.1で、それは英国の多くの都市で暴動が起こった翌月でもあった。そして、この数値の最低値は50.5で、金価格が数年ぶりの低い値となっていた2014年から2015年の冬であった。それ以来、金・銀投資家インデックスは金・銀価格との強い負の相関性を保っており、トランプ大統領が選出されて以来21ヶ月中の18ヶ月がこの傾向となっている。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業であり、2005年にサービスが開始され、現時点で7万5000人を超える175ヵ国の顧客が、低い費用で流動性が高く安全な貴金属専門市場にアクセスできるこのサービスを利用している。
89%が北アメリカと西ヨーロッパに居住するブリオンボールトの顧客によって保管されている金・銀・プラチナ地金の評価額は、現在約25 億ドル(約2710億円相当)となっている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
•オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
•米国ドル・ユーロ・英国ポンドによる即時決済。
•地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
•日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして、2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引 部門で2度目の受賞をしている。また、2011年には英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされ、そのサービスは、2014年11月に、英主要経済誌「Money Week(マネーウィーク)」の購読者によって「最良の金取引業者」に選ばれている。2017年3月には、プラチナ業界のマーケティング団体のワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルによってオンライン・プラチナ地金投資保管のパートナーとして選ばれる。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp